プロからの信頼が厚い「モンテ・ロッサ」の品質の鍵はシャルドネ

「モンテ・ロッサ」は、フランチャコルタ地区の中央にあたるボルナートに拠点を置く。合計で80haの自社畑の葡萄からフランチャコルタD.O.C.G.だけを造っている。スパークリングワインに特化した造り手だ。イゼオ湖の南に広がる丘陵地から、この土地でしか造れない姿を追究し続けている。

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一畝ごとに薔薇が植えられている綺麗な畑

 

<痩せたモレーン土壌で>

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「もうすぐイゼオ湖に、著名アーティストのクリストによる期間限定の橋がかかる」と教えてくれたエマヌエーレ・ラボッティ

 

「モンテ・ロッサ」は年間50万本の生産量というから、規模はそれほど大きくないが定評がある。ちょうどここを訪問する前に、アルバでバローロやバルバレスコをたっぷり試飲するネッビオーロ・プリマに参加していた。他国のワイン・ジャーナリストと話をしていて「この後モンテ・ロッサを訪問しにフランチャコルタまで行く」と言うと、随分羨ましがられた。ミラノから車で1時間強の場所にある古い館に到着すると、1985年から当主を務めるエマヌエーレ・ラボッティが迎えてくれた。

 

電動カートに乗り込んで、館のすぐ側にある畑を見に行くことにした。ワイナリーは、イゼオ湖の南側に広がる丘陵地のほぼ中央にある丘の上にある。標高262mと、最も高い場所のひとつで風通しがとてもよい。特に朝晩はアルプスからの冷たい風が吹き込んでくるという。

 

この一帯は氷河によって形成された土地で、土壌について聞くと必ず「モレーン」という言葉を耳にする。アルプスからゆっくりと進んできた氷河は、移動する最中に周りの岩盤を削り取るため、氷河の先端には運ばれてきた堆積土壌の山ができる。その後、氷河が溶けて後退した後に出来た窪地に水が溜まり湖となる。これがイゼオ湖とフランチャコルタ独特のモレーン土壌の関係だ。

「特に丘の上に石が多い。場所によっては砂も混じっているが、粘土はとても少ない」。痩せた土壌で水はけがよいため、葡萄の根は土中深くへと伸びていく。

 

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