プロからの信頼が厚い「モンテ・ロッサ」の品質の鍵はシャルドネ

 

仲睦まじ両親の姿が描かれた絵画がダイニングに飾られている

仲睦まじい両親の姿が描かれた絵画がダイニングに飾られている

 

<スパークリングワインに特化>

「モンテ・ロッサ」は、1972年に実業家のパオラ・ロヴェッタ ( Paola Rovetta ) とパオロ・ラボッティ ( Paolo Rabotti ) 夫妻がこの農園を購入したことに始まる。フランチャコルタの協会が1990年に設立された際、初代会長を務めたのはパオロ・ラボッティだ。しかしエマヌエーレの父パオロが創業した当初は、主体となるのは白ワインと赤ワインで、スパークリングワインはわずか2,000本しか造っていなかった。栽培していた葡萄品種もシャルドネ、ピノ・ビアンコ、ネッビオーロ、メルロ、バルベーラなど。

 

ところが、エマヌエーレは1985年に父から引き継ぐにあたり、スティルワインの生産はやめスパークリングワインに特化することに決めた。高品質なフランチャコルタを、この土地からしか生まれ得ないスパークリングワインを創り出したいと考えたからだ。

 

葡萄は手摘みされてから必ず2時間以内に除梗なしで圧搾される。圧搾は規定では60%まで許可されているが、ここではフローラルな香りが得られクリーンな50%までしか搾汁せず、2番搾りも一切使わない。果汁やワインもすべて重力による移動のため、常に優しく扱われる。タンクに入れられた果汁は、8℃の低温でおよそ24時間デブルバージュ。上質な葡萄が生まれるクリュのものは小樽にて醗酵させるが、基本はステンレスタンクを使用する。酵母は自家培養したものを用いている。

 

基本的にマロラクティックは行わない方針で、理由は「まろやかさは瓶内で澱との接触によって充分得られる。加えて、マロラクティックを行うと複雑性は出る反面、重くなってしまうから」。フランチャコルタ地域の立地条件も加味し、あくまでもフレッシュでエレガントなスタイルを求めているとわかる。

 

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