- 2016-7-1
- Wines, イタリア Italy
<鍵はシャルドネ>
自社畑は7つのクリュに分かれており、それぞれ3〜15haほどで合計80haになる。そのうち約68haがシャルドネで「これがモンテ・ロッサの鍵となる。24か月瓶内で熟成することで、特別な香味を醸し出してくれる」という。約13haはピノ・ネーロで、シャルドネの品質が安定しているのに対し、年によって浮き沈みがある。ピノ・ビアンコはわずかに残しているが1ha未満しかない。
しかしフランチャコルタでは、ピノ・ビアンコは伝統品種のひとつで50%まで使用可能だ。どうしてそれほど少ないのか尋ねた。「40年前にピノ・ビアンコが栽培されている葡萄畑を購入した。ところがDNA鑑定をしてもらうと、それはシャルドネだったのだ。他にも同様のケースが見つかり、ピノ・ディ・フランチャコルタDOC*の名称を35年前にフランチャコルタDOCへ変更することになった(現在はフランチャコルタDOCG)」。イタリアでは昔よくあったと聞く苗木屋のミスにより、シャルドネをピノ・ビアンコとして栽培していたということだ。
そして実際にワインに仕立てると「ピノ・ビアンコからは、シャルドネのようなエレガンスが得られない。更に、シャルドネの場合はそれだけでも個性が色々あると感じているが、ピノ・ビアンコはそれほどの個性が出ない」と考えているため、スタンダードのノン・ヴィンテージ「プリマ・キュヴェ」にだけ、しかも少量しかブレンドしていない。
どのキュヴェでも常にシャルドネが主体となり、シャルドネ100%のキュヴェが3種類もある。「P.R.ブリュット ブラン・ド・ブラン」は香り高く繊細。「サンセヴェ サテン・ブリュット」は、よりクリーミーで優しい。「サルヴァテック エクストラ・ブリュット・ミッレジマート2010」は涼しかった年だというが、クリュをより厳選しているためか、広がりのある上品な味わいだった。シャルドネの様々な魅力を見せてくれるラインナップだ。
(*ピノ・ディ・フランチャコルタDOC:1967年からピノ・ディ・フランチャコルタDOCとしてスパークリングワインが造られていた。当時はピノ・ビアンコが主要品種で、ピノ・グリージョとピノ・ネーロを補助品種としてもよいという規定だった。1980年代になりシャルドネが主要品種に転じ、名称も変更された)
最近のコメント