- 2023-8-31
- Wine, イタリア Italy

6月21日、ピエモンテとトスカーナから2生産者が来日し、神田明神下「みやび」でプレゼンテーションディナーが開かれた。運営はSOLOITALIA。
プロドゥットーリ・ディ・ゴヴォーネ/ピエモンテの在来品種で幅広いレンジを生産
ピエモンテのプロドゥットーリ・ディ・ゴヴォーネからやってきたのは、輸出部長のマリア・グラツィア・ディ・パオロ氏。アスティとアルバの間にあるゴヴォーネ村が拠点で、1957年に設立。2007年にはアスティ県の2つのワイナリーを買収し、現在ランゲ=ロエロからアスティ、モンフェッラートにわたり300ha以上の畑と3つのワイナリーを所有、サステナブル認証を取得。もっとも作付面積が広いのはピエモンテの在来品種バルベーラだ。バルベーラ・ダスティやバルベーラ・ダルバなどそれぞれの産地でDOC、DOCGワインを生産している。が、今回試飲したのは白のアルネイスと赤のネッビオーロ。
「ロエロ・アルネイス DOCG 2022」
「私たちのワインでもっとも重要な白」と言うフラッグシップで、ゴヴォーネ村の砂地の多い畑で生産する。凛とした白い花、白桃、リンゴなど清々しい果実味。7〜8日のマセレーション、ステンレスタンクで発酵。
「”テッレ・サバウデ” バルバレスコDOCG 2019」
ブランド名は、かつてピエモンテがサヴォイア家の統治下にあったことに由来し、彼らのトップライン。10月初めに収穫し、10日のマセレーション、大樽で2年、瓶で1年熟成。スミレ、ベリー、タバコ、赤い胡椒が香り、優美な口当たり。「ネッビオーロはどの品種よりも先に開花し、最後に成熟する、もっとも栽培期間の長い品種。昔は霧(nebbi)の出る季節に成熟するからネッビオーロと言われた」と、ディ・パオロ氏。
「”テッレ・サバウデ” バローロ DOCG 2019」
15〜20日のマセレーション、大樽で3年、瓶で1年熟成。オレンジがかったルビー色で、4年熟成を経てスパイス香やトースト、スミレなどネッビオーロの典型的なキャラクター。こなれたタンニンで快活な飲み心地。
ウジリアン・デル・ヴェスコヴォ/海に近い産地で国際品種のオーガニックワイン
トスカーナのピザ県が拠点で、オーガニックとサステナブルなワイン造りに特化したワイナリー。海外営業責任者のリンダ・パーチ氏が来日。古くは1078年からワイン造りの系譜をもつ。160haの土地のうち25haがブドウ畑で、オリーブやハーブも栽培している。海からは40km、土壌はおもに砂地で海洋性堆積物に富む。栽培品種は国際品種が中心。「オーガニックだからこそ香りの高いワインができる」と、パーチ氏は誇る。
「ジネストライオ トスカーナ・ビアンコIGT 2022」
シャルドネとヴィオニエの白。黄色い花(ジネストラ)がラベルで、桃、アンズ、ミネラル香と旨味を含む白ワイン。
「モーラ・デル・ロヴェート トスカーナ・ロッソIGT 2022」
サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロの赤。大樽で8か月、瓶で6か月熟成。アメリカンチェリー、ダークチェリーのフレッシュな果実味。アタックはスムーズで、アフターからタンニンのテンションが上がってくる。
「イル・バルビリオーネ トッレ・ディ・ピザDOC 2017」
シラー100%。ワイナリーのベストセラー。トッレ・ディ・ピザは2011年に認定されたDOCで、「私たちがもっとも注力しているDOC」と、パーチ氏。畑は石灰岩のある標高300m、バリックで12か月、瓶で12か月熟成。樽熟成ながらもフレッシュな味。酸は伸びやかで、コンパクトにまとまった緻密なタンニンが塩胡椒の味付けにマッチ。少しハーバルなニュアンスがアスパラガスの天ぷらにぴったり。

左から、会を運営したSOLOITALIA代表の林茂氏、プロドゥットーリ・ディ・ゴヴォーネ輸出部長のマリア・グラツィア・ディ・パオロ氏、ウジリアン・デル・ヴェスコヴォ海外営業責任者のリンダ・パーチ氏、神田明神下「みやび」の杉村幸益支配人。
(N. Miyata)
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