「SUNTORY FROM FARM」より「登美 赤 2019」ほか新ヴィンテージ発売

写真:9月12日から発売される「SUNTORY FROM FARM」の新ヴィンテージのワインたち。

 

サントリー ワインカンパニーは、日本ワインブランド「SUNTORY FROM FARM」より、「同 登美 赤 2019」「同 津軽シャルドネ&ピノ・ノワールスパークリング 2020 グリーンエティケット」ほか新ヴィンテージを全国で数量限定で発売する。発売日は9月12日(火)。

「SUNTORY FROM FARM」は昨年9月に誕生した、日本の風土と畑にフォーカスしたブランド。畑づくりの現場で造り手たちが磨いてきた技術とともに、世界に誇る品質のワインを目指していく。実際、早くも結果を出している。「Decanter World Wine Awards 2023」では「登美の丘 甲州 2021」が、なんと日本ワインで唯一のプラチナ賞を獲得した。
9月5日、都内で記者会見と新ヴィンテージ試飲会が開かれた。「登美 赤 2019」はおもに品種(プティ・ヴェルド)、「津軽シャルドネ&ピノ・ノワールスパークリング 2020」は産地のテロワールに焦点を当てて、造り手が解説した。

登美の丘ワイナリーの栽培技師長 大山弘平氏(左)、ワイナリーワイン事業部 事業部長の新村聡氏(中央)、同事業部シニアスペシャリストの渡辺直樹氏(右)。

 

登美の丘、プティ・ヴェルドでの新たな挑戦

畑では、知見豊かな技術者と若い技術者が一緒にブドウを食べて、チームで適正な収穫時期を確認している。

「登美 赤 2019」は同ブランドの最高峰・シンボルシリーズ中の1本。甲府盆地を望む登美の丘ワイナリーの畑は標高500〜600m、土壌は砂礫質、粘土・シルトなど複数あり、台木や穂木の組み合わせなど畑づくりの土台から研究を重ねている。
この「登美 赤」で目指す味わいは「緻密で凝縮感のある強さ、やわらかさ、まろやかさのある味わい。自然な甘さ、ビロードのようなタンニン。『上品さ』が表現されたワイン」。これを普遍的なゴールとして、気候変動に伴う年々の環境変化に応じて、品種構成も変えている。
「初ヴィンテージは1982年。当時はカベルネ・ソーヴィニヨンが主体だった。その後メルロ中心の時代が来て、今はプティ・ヴェルド中心にシフトしている」と、登美の丘ワイナリーの栽培技師長 大山弘平氏。日本で育つプティ・ヴェルドは「豊かなタンニンや酸味に加え、果実味やボディをワインにもたらす。登美の丘ではさらに複雑性や上品さも得られるまでになった」と話す。
栽培においては、他品種と比べて温暖化への耐性が強いという利点がある。その一方で収穫時期の見極めが難しく、ともすると荒々しい香りのワインになることもある。大山氏たちは酸や糖の視点でみた通常の収穫時期の後に訪れる「フェノール化合物の成熟」が、プティ・ヴェルドの品質を左右するのではないかと仮説を立てている。
「フェノール成熟を待つ期間は、台風や病気のリスクが大きく、これをどこまで待てるかが鍵となる」。
登美の丘はフェノール化合物が成熟しやすい土地なので、そこが強みだとも言う。

「登美 赤 2019」

「登美 赤 2019」は砂礫質土壌がメインで、口に含むと豊かな赤い果実味が広がる。後半では自然な甘さを心地良く感じる。
「登美の丘 プティ・ヴェルド 2020」は粘土質土壌がメインで、同品種100%。黒系果実や林床、スパイスの香り。やわらかいが凝縮感のある果実味、豊かな酸とタンニン。早くから飲んでもフレッシュな果実味を楽しめる。

 

 

津軽のリンゴが香るスパークリング

「津軽シャルドネ&ピノ・ノワールスパークリング 2020 グリーンエティケット」はテロワールシリーズの一本。産地の魅力を引き出すことにフォーカスしたワインだ。津軽の名産品といえばリンゴだが、実はブドウ、ワイン造りにも古い歴史がある。1880年代には全国で欧州系ブドウ栽培量の第6位を誇ったが、フィロキセラ禍によって多くの畑がリンゴへ転作し、ブドウは減少してしまった。
サントリーでは1980年代後半から津軽でのブドウ栽培を開始。2015年から2018年、日本ワインコンクールで4年連続の金賞受賞し、注目を集めている。
畑は弘前市、岩木山の南東の鶴田町にあり、2020年には市とJAつがる弘前とサントリーの3者協定を締結。肥沃で水はけの良い火山灰土壌で、生育期には雨が少なく、収穫前には長い日照量に恵まれ、収穫期の9月になると一気に気温が下がるので高い酸が保たれる。
「ピノ・ノワールとシャルドネの2品種に、スパークリングワインの大きな可能性を感じる。ここで造られる瓶内二次発酵スパークリングの特徴は、熟したリンゴの香り、充実感のある果実味、それを支える爽やかな酸味。リンゴの土地、津軽のテロワールを表すものだ」と、ワイナリーワイン事業部シニアスペシャリストの渡辺直樹氏。
その「津軽らしさ」を最大限に引き出すため、スパークリングワインに最適な時期を見極めて収穫。官能評価によりプレス液をキュヴェ(華やかな香りのワイン)とタイユ(味わいの充実感があるワイン)にわけて醸造、MLFはしない。

「津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング2020 グリーンエティケット」

「津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング2020 グリーンエティケット」は24か月熟成。爽やかなリンゴや白い花の甘味と、キリッとした酸味。その爽やかさから、ラベルをグリーン色に。日本ワインコンクール2023では金賞と部門最高賞のW受賞を果たした。
「津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング2019」は36か月熟成。同じリンゴの香りでも2020年とは異なる趣。熟したリンゴの華やかな果実味としっかりした厚みが特徴だ。口に含むと、まさに青森の熟れたリンゴを齧ったような充実感がある。

「まだ挑戦の過程にある。シャンパーニュの仕込みも参考にしながら、津軽らしさを追求していく」と、渡辺氏は力強く語った。

 

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