宝酒造2024年度事業方針、重点8銘柄のブランド育成と和酒・RTDの輸出を強化

宝酒造は2024年度(24年4月~25年3月)事業方針説明会を5月15日に都内で開き、村田謙二社長が「重点8ブランドと輸出を強化する。ブランド育成を徹底し利益率を高めるとともに、世界の市場に向けて和酒を拡大する」と説明した。

2月からアジア・オセアニアへの輸出を始めた「焼酎ハイボール」

重点8ブランドはソフトアルコール飲料(RTD)の「焼酎ハイボール」、ノンアルの「辛口ゼロボール」、甲類焼酎の「極上宝焼酎」、本格焼酎の「一刻者」、清酒の「松竹梅白壁蔵『澪』」、香り系の焼酎「ISAINA」と清酒「松竹梅『昴』」調味料の「タカラ本みりん」。
村田社長は酒類市場を展望して「5年前の需要予測と比べ、ソフトアルコール飲料の拡大が続く一方、和酒(焼酎、日本酒)は減少が加速している」と話し、これまでの活動を継続・進化させるとともに、世界市場に向けて日本酒とRTDに注力すると述べた。
2024年度業績予想は、売上高1223億7300万円(前年比98.9%)、売上総利益321億6000万円(101.4%)、営業利益57億3100万円(104.1%)。
商品別ではソフトアルコール飲料が売上高445億4300万円(105.3%)。「焼酎ハイボール」は8.4ℓ換算で1780万ケース(104.5%)の計画。“5%シリーズ”が好評で限定品で4品の新フレーバーを発売予定。また名店の味やコラボ商品の高付加価値商品が好評で、品揃えを増やし新たなユーザーの獲得を目指す。
ノンアル「辛口ゼロボール」は70万ケース(189.2%)を計画。SNSキャンペーンや20万人サンプリングなど行い、“食事に合う辛口ノンアルコールチューハイ”を訴求する。
焼酎は売上高312億7800万円(91.9%)の計画。甲類焼酎「極上宝焼酎」は中小容量の比率が年々高まっており、中小容量を中心に若年層に向けた提案を強化。“お茶割り”の提案、「極上」の品質や推奨する飲み方を発信していく。

スパークリング日本酒「松竹梅白壁蔵『澪』」

全量芋焼酎「一刻者」は芋100%ならではの味わいと付加価値を発信。6年かけて開発した新芋品種の香り高い焼酎を“甕オーナー”限定で届けるなど、香りの良さを活かした品質訴求を強化していく。
清酒は売上高116億7600万円(101.1%)の計画。「松竹梅白壁蔵『澪』」60万ケース(110%)の計画で、うち国内50万ケース、海外10万ケース。「日本を代表するスパークリング日本酒」として様々な施策を実施し、グローバルブランドへ育成する。国内では空港での広告看板でインバウンド需要を獲得。海外では米国・NYメッツ球場での取り扱いとデジタル広告をはじめ、英国、香港をはじめ主要各国のイベントでおいしさを発信していく。
本格芋焼酎「ISAINA」、清酒「松竹梅『昴』」は“香り系和酒”として新たな市場を開拓。若年層の新規購入を喚起し和酒カテゴリーの活性化を図る。
調味料の「タカラ本みりん」は調理効果を向上させる商品開発に取り組むとともに中小容量の提案を強化。若年層を中心に新規ユーザー獲得と定着を図る。
また、「松竹梅プロジェクト」として大橋健一MWをコンサルタントに迎えて2020年春からプロジェクトを始動させている。“これからのいい日本酒”開発・提案など、あじわいメッセージを発信し、日本酒全体の活性化を図る。

宝ホールディングスの高橋秀夫常務

宝ホールディングスの高橋秀夫常務は宝HDの連結業績を説明。売上高3620億円(106.7%)、売上総利益1235億円(108.4%)、営業利益257億円(115.5%)、経常利益263億円(112.7%)、親会社株主に帰属する当社純利益172億円(106.3%)で、「2期連続の減益から脱却し、再び増益へと転換させる」と述べた。

 

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