日本ラム協会代表 SCREWDRIVER 海老沢忍氏に聞く

—漬け込みの「ラムパンチ」の可能性は。

個人的にはホワイトラムはまだまだ可能性があると思っています。日本ではラムカクテルというと「モヒート」の認知度が高く、それはそれでいいのですが、現地ではもう少し「ラムパンチ」が飲まれています。ラムパンチはラムリキュールが発売される前のいわば元祖なので、原点回帰する意味もあります。

もちろんラムはカリブのお酒なので、南国のフルーツとの相性が抜群にいいはずです。漬け込みのパンチだと、事前の手間はかかりますが、注文があってから作るよりも、オペレーションが早いので、提供価格を低く抑えられるメリットがあります。

20〜30歳代のOLが気軽にラムに触れられる機会をつくり出すために敢えて低価格にして、ピッチャーやジョッキ、パンチやフルーツカクテルでワイワイ、ジャバジャバと楽しんでもらう方がいいだろうと判断しました。

 

—漬け込むフルーツにはこだわりはありますか。

オレンジ、パイナップル、マンゴー、さらにスパイスを漬け込んでいます。スパイスもシンプルなシナモンやナツメグから、さらにマニアックな香草類も試しています。レシピについては渋谷店を任せる手塚景子がいろいろと開発しています。

容器は2〜3リットルの保存瓶を使い、漬け込み期間は短いもので3〜4日、長いものでは2週間以上のものもありますが、あまり長く漬け込むとえぐ味がでてしまうので見極めが難しいところです。フルーツの果実は下処理して種は抜きますが、皮だけを漬け込む場合もあります。日々客さんと接している手塚には、閃きを試してみればいいと言っています。渋谷店のメニューではラムパンチを1杯500円で提供する予定です。

 

—最後に、日本ラム協会の活動については。

日本ラム協会の会員である「ラム・コンシェルジュ」は現在約600名です。ラム・コンシェルジュはラムの基礎知識をベースに、さらにその深さや歴史を楽しんでもらうというのがコンセプトです。何らかの形でラムの普及に関わっている方がほとんどです。秋から開講し、今年は東京、大阪、仙台に加えて福岡校が加わります。

一方、毎年4月中旬に資格取得者の卒業式と同窓会を兼ねてラムのイベント「ラム・コネクション」を開催しており、ラム・コンシェルジュの友人や一般の方にラムの楽しみ方を体験してもらう場となっています。今年も第3回目を開催しましたが、前回の800名を大きく上回る1000名が来場し、裾野が広がっていることを実感しました。

なお、ラム・コンシェルジュからの要望が多いので、ラムと同じくサトウキビを蒸溜したブラジルの国民酒「カサーシャ」部門を立ち上げる予定です。ブラジルは昨年のサッカーW杯、来年のオリンピック開催国ということで、何らかの仕切りをつけて整理しないといけない時期に来ていると判断しました。

ただし、カクテルについても「モヒート」と「カイピリーニャ」ではその認知度に大きな差があるので、相当大変な作業になります。協会としては、まずは学びと楽しみの機会を提供していこうと考えています。(A. Horiguchi)

「ラム&ラムカクテル特集」につきましては、「ウォンズ」本誌「7、8月合併号」をご覧下さい。WANDS本誌の購読はこちらから 

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