日本ラム協会代表 SCREWDRIVER 海老沢忍氏に聞く

日本ラム協会代表 SCREW DRIVER 海老沢忍氏

日本ラム協会代表 SCREW DRIVER 海老沢忍氏

—そういうライフスタイルの変化に合わせて食事も変化している。

それが、クラフトビールやサードウェーブコーヒーを受け入れることにもつながっているのだと思います。もちろんコークを飲みながらヤンキースとジャイアンツの試合を観戦するスポーツバーもたくさんあるのですが、以前よりも、フードやドリンクにこだわったバーが増えていました。和食は相変わらず寿司だらけで、カリフォルニアロールなど、もはや独り歩きしている感じでしたが…。

 

—アルコールについてはどうでしたか。

西海岸ではジン、ラムなどのクラフトスピリッツに新しい流れが生まれているようでした。バーや蒸溜所の関係者が言うには、ウイスキーやテキーラは値段が高くなってしまったのと製法や原産地呼称の自由度を理由に、「ウイスキーやテキーラは面白くない。他にまだ魅力的なスピリッツがあるから、ここを工夫すべきだ」というのです。これは西海岸の人たちの気質かもしれませんが、そういう状況から新しい流行とか文化を上手に世界発信していこうという気運が感じられました。

 

—それはポスト・ウイスキー、テキーラという流れですか。

彼らがクラフトスピリッツとして、ジンとラムに注目しているのは大きく2つの理由があるようです。一つは新しく立ち上げたクラフトディスティラリーは基本的にはウイスキーを造るためにやっているので、ウイスキーが熟成して飲み頃を迎えるまでの間は、直ぐに換金できるジンをいろいろと試している。ラムは定義が広いので、こちらもいろいろと試せる。そういうクラフトディスティラリーが増えているので、ジンとラムが面白くなっているという話でした。

もう一つは、アメリカのお酒文化の原点回帰というのもあります。それは禁酒法の時代に、ムーンシャイン(密造酒)が生まれ、海外からの輸入にも頼ったという中で、実は「酒場」が育まれていったという歴史的事実があります。現代社会において、リアルコミュニケーションをとる「酒場」としてのバーが再び注目されているというのです。これは、ITで便利になった反動かもしれません。

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