- 2026-7-9
- NEWS, Wine, スペイン Spain
- シェリー, ペドロヒメネス

ボデガス・ヒメネス・スピノラは、シェリーの本場ヘレスに拠点を置く。創業は1919年。ブドウ品種はペドロ・ヒメネスだけを手がけてきた造り手だ。2026年4月、「しぇりークラブ銀座」でペアリングイベントが開かれ、ペドロ・ヒメネス100%のワインとブランデー、計5種が供された。
注目は、辛口のスティルの白「フェルメンタシオン・レンタ」だ。一説では、ペドロ・ヒメネスのルーツはドイツのリースリングにあるとされる。ヒメネス・スピノラのブランドマネージャーの河野佳代氏は「丁寧に醸造すれば、酸がきれいに伸びる白ワインになる。さらにリースリング同様、10年、20年の長期熟成ができる」と言う。
造りも独特だ。通常の収穫期を過ぎてもブドウを摘まず、木上で乾燥させる。遅摘みした糖度の高いブドウをフレンチオーク樽で発酵・熟成させる。残糖は約30g/L。果皮ごと仕込むため、果皮由来のニュアンスも溶け込む。オレンジワインとは呼ばないが、製法としてはそれに近い。うま味と厚みは、バトナージュで与える。もっとも当初は勝手が分からず、白ワインに通じた知人の醸造家に「とにかくバトナージュを」と助言されて始めた。試すうちに面白くてやりすぎた時期もあったという。「シェリー一筋で白ワインは未経験だっただけに、当初は加減が難しく、3ヴィンテージ目で今のスタイルに落ち着いた」と、河野氏。
「フェルメンタシオン・レンタ」の2021年と2023年を比較試飲した。2021年は雨が多く、果実がゆっくり熟した。熟したリンゴの香り。酸がしっかりと保たれ、20年以上の長期熟成が期待できる。フレッシュさと甘味がほど良くバランスを取り、ペアリングに供されたエンドウのうま味とも調和した。一方で2023年は過去80年で最大級の干ばつの年で、7月中旬に収穫が始まった。凝縮しながらも、早くから熟成した香りが出ている。熟したパイナップル、ナッツ、塩味。一口ごとに十分な飲みごたえがあるが、飲み頃のピークは2021年より短く、およそ10年後と予想されるという。
シェリーの「ペドロ・ヒメネス ソレラ 1918」は、1918年に始まったソレラシステムを4世代が守り継ぐ伝統の極甘口だ。黒糖の凝縮した甘味と、すっきりとした酸がバランスを取り、重さを感じさせずエレガントに仕上がっている。「ブランデー クリアデラス」はペドロ・ヒメネスを蒸留し、栗樽で最低12年熟成させた一本。口当たりは柔らかくなめらかで、アーモンド、トースト香が長く続く。
ペドロ・ヒメネスは甘口シェリーの代名詞だが、辛口の白から蒸留酒まで幅広いスタイルがある。それを見渡せる機会となった。
輸入元:モトックス(N. Miyata)


















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