マイケル・モンダヴィ・ファミリーのフラッグシップワイン『エム 2012』

モンダヴィ家4 代目に当たるディーナ・モンダヴィがマイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステーツを代表して来日し、新アイテムの「オベロン・ロス・カーネロス」、プレスティージ・キュヴェの「エム2012」、そして日本初入荷となるエムのセカンドワイン「アニモ2012」の披露を兼ねて、同エステートの全ワインを紹介した。

マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステーツは両親のマイケルとイザベル、兄のロブ・モンダヴィJr. とディーナの4人が協力して1999年に興した。ディーナはブランドの経営戦略を担う傍ら、マスターブレンディング・パネルの一員として最終ブレンドにも関わっている。

同エステーツは現在、ナパ・ヴァレーに二つの自社畑を所有している。

一つは、ナパ北東部、ハウエル・マウンテンとインク・グレードの頂きの中ほどに位置するOso Vineyard。Oso(オソ)は“熊” を意味するスペイン語で、もともとこの地が熊の生息地であったことに由来。「今でもマウンテン・ライオン(クーガー)が住み着いているので、畑にセンサーを取り付け、ヘビーメタルの音楽を流している」という。岩混じりの急峻な斜面に開かれたテラス状の畑38haでは、凝縮したフレーヴァーとしっかりとした骨格をもつカベルネ・ソーヴィニヨンとプティ・ヴェルド、そして生き生きとした香味のソーヴィニヨン・ブランなどを栽培。

この畑からはロブJr. とディーナ兄妹の合作となる単一畑ワイン「EMBLEM OSO Vineyard Cabernet Sauvignon」を産出。2012 年産はカベルネをベースにプティ・ヴェルド13.8%をブレンド。熟したブラックベリーやチョコレート、オークなどの風味が溶け込み、滑らかでエレガントな味わい。「EBLEM Napa Valley

Cabernet Sauvignon 2013」は複数の畑の葡萄を使い、カベルネ・ソーヴィニヨン76%に、シラー、プティ・シラー、ジンファンデル、プティ・ヴェルド、メルロを少量ずつブレンドしたワイン。「モンダヴィ家の歴史のなかで、カベルネにプティ・シラーとジンファンデルをブレンドしたのは初めてのこと。このワインをつくったとき、父マイケルはとても驚いた」という作品。こちらも複雑でバランスのとれた味わいだが、口中で甘いと感じるほどの凝縮感が特徴だ。

もう一つの自社畑、The Animo Vineyardはナパ・ヴァレー南東部、AVAアトラス・ピークのサブレ- ジョン、フォス・ヴァレーにある。1999年に拓かれた6haの畑は標高およそ390~410m、カーネロスから流れ込む霧の上にあり、岩が多く赤い鉄分を含む火山性土壌。ゆっくりと成育した葡萄からは、骨格のしっかりとしたカベルネ・ソーヴィニヨンが生み出される。最適の畑を探し求めていたマイケル一家にとって、ここはまさにAnimo(魂を意味するイタリア語) だったという。

フラッグシップワイン「M By Michael Mondavi」は、12~14区画に分かれたアニモ畑のなかで最良の区画の葡萄を使い、カベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られている。ファーストヴィンテージは2005年。今回入荷した2012年産は5日間低温浸漬した後に、合計28~32日かけて醸し発酵。フランス産のオーク樽(新樽87%) で22か月熟成し、瓶詰め後さらに15か月寝かせてから出荷している。生産本数は3000本。凝縮したフレーヴァーとパワフルかつしなやかなタンニン。火山性土壌由来のミネラルが豊かな味わい。「父は、このスタイルのワインをつくり出すのに40年以上の歳月を費やした」。

セカンドラベルに該当する「Animo Cabernet Sauvignon 2012」(1万2000円)は、プティ・ヴェルドを14.8%ブレンドしている。(M. Yoshino)

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