2015年に本拠地をキレンブルグに移した 新生マルタン・シャッツエル

アルザスのほぼ中央に位置するグラン・クリュ カフェルコッフの名声を高めたのは、1803年まで歴史を遡れるドメーヌ・マルタン・シャッツエルを、1979年に叔父マルティンから引き継いだジャン・シャッツエルだった。今では多いが、アルザスビオディナミの先駆者でもあった。そのジャンが引退するのを機に、新オーナーのマルク・リナルディ氏のもとで新チームが結成された。醸造長で営業のトップも務めるサミュエル・トットリ氏が来日し、現状について語った。

マルク・リナルディは、700名ものスタッフを抱える車の輸入商社などを経営し、コルマールにレストランも所有している。ワインに造詣が深く、それ以前にもテュルクハイムで畑を購入していたという。

一方ジャンは、2011年に多くの自社畑を手放さなくてはならなくなったが、同じ村の栽培家と契約しぶどうを買いながらワインを造り続けていた。しかし、後継者に恵まれず引退を決意した。サミュエルは、昔ソムリエとして働いていた頃からジャンからワイン、醸造、栽培、ワイン造りの精神まで教わり、当時はクンツバで醸造に携わっていた。そこで新生マルタン・シャッツエルのチームに入り、ジャンの精神を引き継ぐことにした。

早速新チームはキレンブルグにモダンなワイナリーを建築し、畑も買い足し14haまで広がった。2007年に51番目にグラン・クリュに認定された村カフェルコッフは特に思い入れが強いため、優れたピュアな花崗岩土壌の畑を厳選して購入し始めている。

「マルタン・シャッツエル by キレンブルグ」を正式名称とし、今年1月から2つのラインで販売していく。グラン・クリュは「ドメーヌ・キレンブルグ」、これまで造ってきたアイテムは今まで通り「ドメーヌ・マルタン・シャッツエル」の名前を踏襲する。いずれも使用するぶどうは購入ぶどうの場合でも栽培はビオディナミによる。また契約栽培家からはkg単位ではなく面積単位で購入している。(Y. Nagoshi)

 

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