多様なテロワールと固有品種 コルシカワイン評議会が日本で初めての販促活動

コルシカワイン評議会(CIV コルシカ)がこのほど、東京・青山のビストロブノワで試飲ディナーを開催した。日本で初めてとなる試みで、コルシカ島から来日した3人の造り手達が自らのワインを紹介しながら、多様な味わいの魅力をアピールした。

「コルシカは山がちな島で、フランス国内では最も南にある小さな生産地。しかし、ワインづくりの歴史は長く、およそ3000 年前からフェニキア人達によってもたらされた」と、同評議会ディレクターのベルナール・ソネ氏。

コルシカ島は年間日照量が2885時間という温暖な地中海性気候。しかし、島の中央部には標高2000m以上の山が20座もあり、入り組んだ山裾の斜面から沿岸部にかけて東西南北に広がるぶどう畑はそれぞれ多様なテロワールに恵まれている。

ぶどう畑は延べ5560ha。264の生産者が年間37万hl のワインを産出している。

現在AOP/PDO(原産地呼称保護)に認定されているワインは9種類で、クリュに当たるのがAjaccioとPatrimonioの2つ。ヴィラージュに当たるのがCalvi、Sartene、Figari、Porto Vecchio、Côteaux du Cap Corseの5つ。そしてAOP Corseというレジョナルと、ヴァン・ド・ナチュラルのMuscat du Cap Corseがあり、これら全体でコルシカ島全生産量の31%を占める。また、リル・ド・ボーテという単独のIGP/PGI(地理的表示保護)ワインが60%を占める。

ぶどう栽培地は主に4つに区分される。花崗岩が多い島の西部からはしっかりとしたストラクチャーとフローラルなアロマのワインが、シスト(片岩)土壌の北部と東部からは柔らかく、デリケートな味わいのワインが、石灰岩が堆積した北西部と南部からはミネラリーでフローラル、フルーティな円みのあるワインが、そして粘土質/珪酸粘土質の緩斜面に拓かれた東側沿岸部の畑からはデリケートで調和のとれたワインが産出される。

コルシカで栽培されている固有のぶどう品種は30種以上あるが、主なものは6種。赤ではニエルッチョ、シャッカレール、アレアティコ。白ではヴェルメンティーノ、ビアンコ・ジェンティル、バル・バロッサ。

 

2016 Une Ile Rose

ニエルッチョ100%で、明るいピンクの色調をもったIGPロゼ。生産者のDomaine De Terra Vecchiaは東部の海沿いに200haの畑を所有する比較的大きな生産者。赤い果実やキャンディ、柑橘の香りが豊かで、フレッシュな味わい。

2014 AOP Corse Clos Poggiale Rouge

ロゼと同じ生産者が所有する、標高100mにある畑のぶどうを使用。赤い粘土と花崗岩土壌をもつ47haの畑ではオーガニックに転換中で、2018年中にはエコセールの認証を得る予定だという。島の東部AOP Corseにあたるこのワインはニエルッチョ55%にシラー45%をブレンドして、6か月間樽熟成。スミレやブラックベリー、プラムなどのアロマ、酸が豊かな極く辛口。(M. Yoshino)

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