- 2019-3-7
- Spirits
↑右から、創業者のフェアファクス・ホールとサム・ゴールズワージー、そしてジャレット・ブラウンの3氏↑
去る1月、クラシック・ロンドンジンの代表格で、クラフトジン・ブームの先駆けとなった「シップスミス」のセミナーが都内の会場で行われた。3名の創業者も来日。同社の成り立ちとアイテムの魅力を知る好機となった。その模様をレポートする。
このセミナーは、サントリースピリッツが1月8日から「シップスミス ロンドンドライジン」「シップスミスVJOP(ロンドンジンの3倍のジュニパーベリーを使用、アルコール度数57%)」の発売を全国で開始したのを機に開催されたもの。まず挨拶に立ったサントリースピリッツの清水悟部長は、同社が1936年のヘルメスジン発売以来、ジンに注力してきたことを説明。今回プレミアムレンジに「シップスミス」が加わることで、ジンの飲用機会をさらに広げたいと語った。清水氏によれば、世界のプレミアムジン(22.5USD以上)の市場は、2013年の313万0000ケースから17年には605万0000ケースと90%もの伸びを見せている。
続いてステージに立ったのは、創業者のフェアファクス・ホール、サム・ゴールズワージー、ジャレット・ブラウンの3氏。3人揃ってのセミナーは「史上初」とのこと。「シップスミス」の物語は幼馴染のホール氏とゴールズワージー氏が揃ってアメリカで暮らしていた時に、「クラフトの誕生を目撃した」ことに始まるという。当時アメリカではクラフトビールや小規模ワイナリーのムーブメントが巻き起こっていた。2人の新しい夢は、ロンドンでジンを造ること。5年間、そのアイデアを温め、リサーチした。仕事を辞めて帰国し、家を売って、資金を作った。蒸溜所の場所を確保し(著名なウイスキー評論家、マイケル・ジャクソン氏の旧邸)、ジンのレシピも入手した段になって2人はマスターディスティラーがいないことに気づいて愕然とする。
造るなら真のロンドンジンを
数カ月後、ビーフィーター社のパーティで出会ったのがブラウン氏だった。ブラウン氏はジンの歴史に関する著作もある研究家だった。マスターディスティラーのオファーを受けたブラウン氏は、受諾にあたり条件を出した。条件とは、「ロンドンで造るなら、歴史を引き継いだ“真のロンドンジン”を造ること」。(中略)
蒸溜工程には3つのこだわりが
ジンそのものについてはブラウン氏が語った。原料には10種類のボタニカルを使用。最も重要なのは言うまでもなくジュニパーベリーだが、これは地中海北部沿岸の……。
(Yasuyuki Ukita)
中略部分、つづきはWANDS 2019年3月号をご覧ください。
3月号は「日本ワイン、日本の酒類消費、ピエモンテワイン」特集です。
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