カクテルを通してブランドの真髄を探る GREY GOOSE

<素材の豊かさを生かすために常識はずれのウォッカを使った>
ウォッカ・マティーニ×グレイグース  一守 邦泰さん(バー レイジ)

 カクテルにおけるウォッカの役割はなんだろう? 例えば「スクリュー・ドライバー」。ブルーカラーの過酷な労働から生まれたとされる硬派な名前だが、その名に似合わずレディ・キラー・カクテルの筆頭格だ。なぜレディー・キラーかといえば、ベースとなるウォッカが無味無臭を目指したものであり、オレンジジュースとあわせると風味や清涼飲料的な飲みやすさを邪魔しない。ウォッカは極力、クリアなもの。そのために濾過を相当数かけるものが流行した時期があった。

 

しかし、一守さんが必要とするウォッカは、定番的な無味無臭、クリアな方向性ではなかった。選んだウォッカは「グレイグース」。その理由は、柔らかさ、丸み、そして豊かな風味。「バー レイジのスタイルは、丸みのあるカクテル。ウォッカベースはもちろんスタンダード・カクテルは基本的にはすべてシェイクで、空気を入れて口当たりを柔らかくしていきます。こうしたスタイルにグレイグースはとても合うのです」。これはクリアな方向性を求める甲類焼酎と、芋や麦、米など素材の風味を楽しむ本格焼酎と言われる分野の方向性や役割の違いにも似たものがある。

 

グレイグースはフランス生まれのプレミアム・ウォッカ。原料はフランス産の冬小麦で、水はコニャック地方で最良のブランデー用ブドウが収穫されるグラン・シャンパーニュのもの。コニャックとワイン造りについても精通したセラーマスターが、こうした素材にこだわり、その素材を生かすために考え抜いた蒸留方法を用いるというプロフィールからも、他のウォッカと方向性が違うアイテムだということがわかるだろう。一守さんは、実際にフランス現地でセラーマスターのフランソワ・ティボー氏と会い、「小麦の良さを生かす」という考え方に共感し、品質の良さも実感した。「味わえるアイテムなのです。ブランデーグラスで飲める。ボリュームもしっかりあって奥行きも存分。小麦の甘みがそこからも広がる。この子をステアするだけで間違いなく美味しいですよ」。

 

 

その良さを生かすために、通常のジンベースのマティーニや、ウォッカ・マティーニとは違う工程を取り入れた……。

(Daiji Iwase)

 

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