イタリアワイン ルンガロッティ

CEO兼栽培責任者キアラ・ルンガロッティ2年ぶりに来日

ウンブリア州の家族経営のワイナリー「ルンガロッティ」は、本拠地がトルジャーノにありモンテファルコにも畑とワイナリーを所有している。CEOで栽培責任者でもあるキアラは、姉テレーザ、甥のフランシスコと共に「ウンブリアのテロワールをチームで表現することが大切だ」と、同社の取り組みの方針やワインについて説明した。

 

環境に配慮した栽培

父ジョルジョ・ルンガッロッティがこの地域とワインの振興に大変情熱的で、第二次大戦後にすぐさま品質向上のために植え替えを始めた。それまで地元消費ばかりだったのを、1960年代にイタリア他地域や国外へも進出を果たした。1962年に「ルベスコ」を造り始め、この品質の高さが認められ1968年にDOCトルジャーノを取得した。その後、オルヴィエートとモンテファルコも父の貢献によりDOCが認定された。

ルンガロッティでは環境に配慮したブドウ栽培をしており、トルジャーノの230ha は2018年にV.I.V.A.を取得。イタリア政府による認証で「水、土、空気、環境」の4つのポイントで判断され、2年ごとに審査にパスしなければならない。モンテファルコの20haは2014年より オーガニック認証を得ている。

加えて、サステイナビリティについての取り組みも1990年代から始めている。例えば、気象モニターを250haの畑に5か所設置した。この情報により処置を最小限にとどめられるようになった。草は最低年に2回土壌にすき込み除草剤は不使用。化学的な肥料や殺虫剤も皆無。ドローンを飛ばしての精密農法により、区画ごとの樹勢を正確に判断できるようになり適切に対処でき、畑の合間には森が残されており、生物多様性も保っている。

近年の栽培については、ここ10〜15年気候変動に対応しているが、毎年対処法は異なる。2019年は冬に雨が少なく、5月は降雨量が多く気温は低かったのであまり蒸発せず、夏のための雨の貯蓄ができた。6月に雨が止み温かさも加わり一気成長が始まったため、大急ぎでキャノピーマネージメントを始めた、そのため開花もうまく進んだ。7月の結実も順調だった。ともあれ、すぐ畑に出られる準備が必須。赤用品種は日が当たる側のブドウの房周りに葉を残すなど、細かな対処を正確に行うことが求められる。

(つづく)

輸入元:明治屋   (Y. Nagoshi)

 

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