キリンビール、国産ウイスキー「富士」「陸」を今春発売

キリンビールはキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所のグレーンウイスキー原酒のみを使用した「キリン シングルグレーンウイスキー 富士」を4月21日から全国飲食店で発売する。また多彩な飲み方が楽しめる国産ブレンデッドウイスキー「キリンウイスキー 陸」を5月19日から全国発売する。

【ネクストシングルモルト、富士御殿場蒸溜所を体現】
 「富士(ふじ)」は世界的に注目されている富士御殿場蒸溜所のグレーンウイスキー原酒のみを使用し、フルーティな果実香、オレンジやグレープが感じられる香味が特長のウイスキー。通常のスコッチタイプ(ライトグレーン)をつくる一般的な多頭式連続蒸留器「マルチカラム」、カナディアンタイプ(ミディアム)の単式蒸留器「ケトル」、アメリカンタイプ(ヘビー)の連続式蒸留器「ダブラー」の、香味タイプの異なる3種類のグレーンウイスキー原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいに仕上げた。
パッケージは落ち着いた白ラベルに淡い“富士”の文字を配し、英字の商品名(FUJI)を重ねることで奥行きを感じさせ、過度な装飾を除くことで日本らしい引き算の美を追求。瓶底はくぼみが富士山に見える工夫を施し、日本らしさを表現している。
Alc.46%、容量700mlびん、オープン価格(想定価格6,000円前後)。
主要ターゲットは30~40代の国産プレミアムウイスキーユーザーに設定。当初は業務用ルートのみで販売し、ブランド価値の確立を目指す。販売目標は10,000ケース(9l換算)。

【ウイスキーをもっと自由に!新価値を提案】
 「陸(りく)」は樽由来の味わいと甘みが感じられる、後味のキレが良い味わい。輸入グレーンウイスキー原酒と富士御殿場蒸溜所の原酒をブレンドしたグレーン主体にモルト原酒を加えた中味設計のため、どんな飲み方でも楽しめる。パッケージは、白バックに黒文字のシンプルさを極めたデザイン。余分な要素をそぎ落としたシンプルな高級感を追求。ラベル側面には、ブレンダーがすすめるおいしい飲み方や楽しみ方の注意事項を記載するなど、遊び心のあるデザインを施している。
Alc.50%、500mlびん、オープン価格(想定1,500円前後)。
主要ターゲットは複数のウイスキー銘柄を自宅で楽しむ30~40代男性。販売目標は42,000ケース。

 

【ウイスキー事業、第二創業期と位置づけ】
3月17日にwebを使って行った商品発表会では、キリンビールのマーケティング部洋酒・海外ビールカテゴリー戦略の根岸修一主査が「ウイスキーに注目が集まるなか、ウイスキー事業を第二の創業期と位置づけてゼロから見直し、目指す姿として『国内で評価されるウイスキーから世界でも評価されるウイスキーへと成長する。ウイスキーを自由にする、可能性を広げる』よう取り組む」と説明。「世界的な需要の高まりの一方で、シングルモルトのように大きく話題になるコンテンツを提供できておらず、ウイスキーには新たな話題が必要。そこで“ネクストシングルモルト”、富士御殿場蒸溜所を体現するブランドとして『富士』、“こんなもんだを打破”、ウイスキー新価値を提案するブランドとして『陸』の新ブランド2つを立ち上げ、ウイスキーの可能性を広げたい」と話した。
キリンビール マーケティング部商品開発研究所エグゼクティブ・フェローの田中城太氏は、「富士」について「3つの異なるタイプのグレーンウイスキーと日本ならではのこだわりの技術で世界五大ウイスキーのうち4つをカバーするノウハウを生かした。ワイングラスで飲むと、より香りが楽しめる。トップノートはほんのり甘く豊かな樽熟香で、洋梨のタルトや焼き菓子、マロングラッセなどを思わせる甘く芳ばしい香り。小さめの氷を落とすと白ブドウやカリンのようなフルーツ香、微かにシナモンや甘草を想わせる芳香も垣間見える。口当たりは柔らかでスパイシーさも顕れる。フィニッシュは優しくほんのりとした甘さと共に心地よいウッディーさやスパイシーさが余韻として心地よく続く」と説明。
また「陸」は「どんな飲み方でも美味しいと思っていただける中味設計にこだわった。うまさ濃い口で伸びが良く、多彩な飲み方で自由に愉しめる。トップノートはオレンジを想わせる華やかさとともにウッディーさ、仄かなバニラ香やスパイシーさも感じられる。パレートはしっかりした味で厚みが感じられ、樽由来の味わい深さと甘み、フィニッシュは豊かな余韻の後で爽やかな印象とともにきれいなキレがある。しっかりしたグレーン原酒を使っているので非常に伸びが良く、うすい水割りでも味わいがまとまり飲みやすい」と話した。

【国産ウイスキー、今年は22%増計画】
なお、キリンビールの洋酒の2019年実績は、洋酒計が前年並みの296億円、ウイスキー計も前年並みで183億円、国産ウイスキー計は前年比32%減の32億円だった。
2020年は市場の7割を占める国産ウイスキーでのブランド基盤強化、輸入ウイスキーではジョニーウォーカー、ホワイトホースを中心にハイボールをブランドで選ぶ楽しさ・魅力を提案。洋酒計で前年比5%増の312億円、ウイスキー計で8%増の198億円、国産ウイスキー計では22%増の39億円を目指す。

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