熟成日本酒を世界へ 「刻SAKE協会」設立で記念商品発売

日本酒の古酒・熟成酒を基準などを作って価値化し世界に発信する目的で、日本酒7蔵元が「刻(とき)SAKE協会」をこのほど設立し、発足記念の限定セット「刻の調べ8本セット」(202万円、税込み)の発表披露をを11月16日に東京・帝国ホテルで開催した。
同協会は増田德兵衛氏(京都「月の桂」蔵元の増田德兵衞商店代表)を代表理事に、水野直人副代表理事(福井「黒龍」の黒龍酒造代表)、仲野益美氏(山形「出羽桜」の出羽桜酒造社長)、久慈浩介氏(岩手「南部美人」の南部美人社長、島崎健一氏(栃木「東力士」の島崎酒造代表)、永井則吉氏(群馬「水芭蕉」の永井酒造社長)、荘司勇人氏(千葉「木戸泉」の木戸泉酒造代表)と、上野伸弘常任理事(長期熟成日本酒BAR「酒茶論」オーナー)、西山泰弘氏(プレミアム・サケ・コンソーシアム)を設立メンバーとして昨年8月に設立。山本博氏(弁護士、日本労働弁護団名誉会長)、輿水精一氏(サントリースピリッツ名誉チーフブレンダー)、田崎真也氏(日本ソムリエ協会会長)の、洋酒業界の有力者3氏が顧問を務める。

1964年仕込みの「月の桂」を抜栓しサービスする田崎顧問

「古酒」「熟成酒」など名称や規定が統一されていないことから、世界に誇れる日本酒を価値化するため、時間軸を用いた高付加価値の基準づくり、ブランド化を目指して活動。10年熟成を一応の目安としているが、これから国税庁や酒類総合研究所をはじめ各研究機関とともにエビデンスの伴った熟成基準づくりを進める。今年6月には国税庁「日本産酒類のブランド化推進事業」で「刻(とき)SAKE」日本酒の熟成基準化とブランド化事業が選定されており、日本産酒類の更なる輸出拡大のための活動として推進する。

本格始動を記念した限定セット「刻の調べ8本セット」は、7蔵それぞれが手掛けた1984年から2003年の間に仕込んだ日本酒7本と、その7蔵の特別酒を田崎氏がアッサンブラージュした「刻の調べbyTASAKI」の各720㎖8本セットで、限定20セット。11月24日から予約開始(https://shusaron-online.com)し、抽選のうえ12月上旬発売。

 

あいさつする増田代表理事

会見で増田代表理事は「かつて日本酒には『上質な酒は熟成されたもの』という価値観があった。ところが明治時代に入り厳しい酒の税が導入され、造った時点で先に課税されることから各蔵元は販売を急ぐ方向へシフトし、熟成させる余裕がなくなってしまった。”日本酒は新酒”という近代の概念が随分長く、今に至るまで続いている」「世界ではワインやウイスキー等の上質な酒には必ずと言っていいほど、熟成という価値が存在する。今現在、この豊かな日本社会で、日本酒の熟成という魅力は徐々に復権してきていると非常に強く感じている。また同時に、わかりやすい分類や科学的な分析、エビデンスを備えながら基準化していくことなど、重要な点が不足しているとも感じている」「世界へ、伝統ある日本酒の熟成文化を、広く正しくお伝えしたい、このことに私たちの使命があると思っている」と話した。

関連記事

ページ上部へ戻る