カルメネールとビオの「アンティヤル」チリワインの第一人者 アルバロ・エスピノサ

近ごろワインの世界で煩わしいと思うことが二つある。小さな造り手を偏重する風潮と、「自然派」というワインの括り方だ。ブティックだのガラージストだの生産規模の小さい生産者だけが品質で人々の関心を集め、大きいものは歯牙にもかけない。ひどい場合は軽蔑しているようにさえ見える。

でも実のところ品質の悪いワインは生産規模の大小に関わりなく造られている。小さいものだけが本物で土地の個性を映しているというわけではない。

「自然派」については、この「派」から外れる流れのワインは何かを連想してみよう。「自然派」以外の他派閥や無派閥のワインは、薬剤と技術を駆使した人工的なもので、添加物が多く身体に悪影響を及ぼすものになるのか。それなら大方のワインは危険この上ない産物になる。それにこの「派閥」に入るだろう有機、ビオ、無農薬などの耕作法とワイン醸造に関連性はない。それにビオワインがすべておいしいわけでもない。それを「自然派」というきつい日本語で一括りにするのは優良誤認ではないのか。

 

前振りが長くなったが、ここで紹介するチリワインのアンティヤルAntiyalはとても小さな造り手で、ブドウ栽培にバイオダイナミック農法を採用している。その意味ではとても煩わしいワインである。マイポヴァレーの最南端のパイネ村、カチャポアルヴァレーとの境界に近いところにある。先にチリで開催されたサッカーの南米選手権コパ・アメリカの期間中、チリ代表チームのMFビダルが飲酒運転で交通事故を起こして大騒ぎになったが、その時、ビダルが酒を飲んでいたモンティチェロ・カジノはこのワイナリーの近くである。

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