カルメネールとビオの「アンティヤル」チリワインの第一人者 アルバロ・エスピノサ

カルメネールのワインを初めて造ったのもアルバロだった。初めてカルメネールが発見されたのは1994年11月24日のこと。サンティアゴでチリワイン醸造シンポジウムが開催され、フランス人ブドウ学者ジャン・ミッシェル・ブルシクオが招聘された。

ブルシクオはカトリカ大学のフィリッポ・ピゾルコウスキ教授とともにマイポヴァレーのアルト・ハウエルにあるカルメンの畑に出向いた。二人を案内したのは、当時カルメンのエノロゴだったアルバロである。三人でメルロの栽培区画を廻ってブルシクオは、「これはボルドー品種のひとつで、いまはボルドーの畑にはまったく無くなってしまったカルメネールだ」と結論付けた。アルバロは早速そのブドウでワインを造った。しかし、当時の農業省農牧庁SAGのワイン用ブドウ品種リストに「カルメネール」はなかったのでラベル表示ができず、アルバロは「グラン・ヴィデュール1994」とした。グラン・ヴィデュールはボルドー品種を総称する語だという。(K. B.)

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