スプリングバレーブルワリー東京の限定品「グラン・クリュ 〜496 特別醸造〜」

スプリングバレーブルワリー東京から、12月17日より限定品が発売された。名前は「グラン・クリュ 〜496 特別醸造〜」。あの「496」の仲間であること、そして「グラン・クリュ」の命名が気になる。代官山を訪ねて、ヘッドブリュワーの古川淳一さんに話を聞いた。

 

「グラン・クリュ」とは

スプリングバレーブルワリー京都でも「グラン・クリュ 〜京都・ゴールデンエールスタイル〜」が限定発売され始めた。どちらにも共通する「グラン・クリュ」は、何を意味するのだろうか。

「しばらくグラン・クリュをシリーズ名として使い、ビールのおいしさをより多くの方に伝えたいと思っています」と、古川さん。

ここ数年は、ビール好きでもそうでなくても比較的クラフトビールに抵抗なく入っていける、軽やかなタイプやフルーティーなタイプに注力して限定品を出してきた。しかし、さらにクラフトビールの良さを知ってもらいたいと考えて、濃密さや複雑さ、深みのあるタイプをゆっくり楽しむ世界観を新たに提案していきたいと考えるようになってきていると言う。

そのなかで、今年の1月にバーレーワインを発売した。麦のワインという名前のアルコール度数が11.5%もあるビールだ。世界5大ビールコンペティションであるAustralian International Beer Awards で2021年5月に金賞受賞の快挙を成し遂げた。しかし、実は店では期待ほどの売れ行きではなかったそうだ。検証した結果、ビールを飲みたい人にはアルコール度数が高すぎたのではないかと考えた。

 

その後、アルコール度数の高さより味わいの濃密さ、複雑さ、深みにフォーカスすることに決めて完成したのが「グラン・クリュ 〜496 特別醸造〜」。アルコール度数は8%だ。

「グラン・クリュ」という言葉は、ワインの世界では「特級畑」や「特級格付け」といった特別に優れていることを意味している。しかし、ビールの世界でも使われていると言う。ベルギービールで、ひとつのブランドのなかでも特別な銘柄、上級品に付けられてきた。

そこで、スペシャルでちょっといいシリーズであるとすぐにわかるよう、「グラン・クリュ」と命名した。

 

「496」の系譜

さて、「496」といえば「SPRING VALLEY 豊潤<496>」。クラフトビールのおいしさを身近に体験できる銘柄として、今年3月に発売以来ヒットを打ち続けている。缶でも飲めるし、タップマルシェ取扱い店や代官山まで足を運べば生でも飲める。

これにはもともと原点の、「SPRING VALLEY original 496」がある。これも代官山にて生で飲める。

「オリジナルも、豊潤も、今回のグラン・クリュも、496に共通している点は『究極のバランス』です」と、古川さんは強調する。濃密な味わいでありながら、余韻の切れが心地よい。またもう一口飲みたくなる味わいを常に追求している。麦芽の配合や使用するホップの組み合わせを踏襲しながら、より深みのある味わいを求めた末の作品だ。

「単純に濃くすると、飲みにくくなってしまうのです。香りや味のバランスを保つために、様々な調整をしました」。

確かに、ホップのフルーティーな香り、麦のうま味、爽やかな酸味、ほのかな苦味。これらの要素が高い位置で均衡している。それぞれの要素が強いけれど、バランスが良いのでまたもう一口飲みたくなる後を引く味わいで、まさにイメージ通り。

 

もしペアリングでおすすめがあれば、と店の人にリクエストしてみた。一瞬、チェリーソースのモンブランかと思うような見た目ながら、実は「黒毛和牛の煮込み、安納芋のマッシュポテト」。デザートではなくメインだった!

確かにこの「グラン・クリュ 〜496 特別醸造〜」は、ゆっくりじっくり深い味わいを楽しみたいタイプ。アロマティックで軽やかなタイプで始めて喉の渇きを癒しつつ、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」で繋げるなどしてある程度食事が進んだ後、ワインを飲む時と同じような感覚で飲むのが良さそうだ。ビールのようにクイっと一口分を口に入れると言うよりは、ワインのように鼻と舌で立体的に味わうのをおすすめしたい。

(Y. Nagoshi)

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