デリカート・ファミリー・ヴィンヤーズ[カリフォルニアで約1世紀のブドウ栽培の歴史、4世代に亘る確かな足取りとダイナミズム]

語らずとも売れるコスパの良さ ローダイとパソ・ロブレスのワイン

カリフォルニアワインを売るには、ノース・コーストやサンタ・バーバラのスーパースターたちの威を借りてばかりでは広がらない。ジンファンデルに始まるブドウ栽培の歴史の重み。一方で時代にフィットした柔軟性と若い息吹を感じる空気。いずれも兼ね備えた生産地、ローダイとパソ・ロブレスから、注目のアイテムをピックアップした。

取材・文 近藤さをり

ファミリーのカリフォルニアでの歴史の幕開けは、およそ100年前のこと。シチリア島から移住してきたガスパーレ・インデリカートが、1924年にローダイの南40km ほどのマンテカにブドウ畑を拓いたことに始まる。その後、彼は3人の息子とワイナリーを設立。大手ワイナリーにブドウやワインを供給し、着実に成長を遂げた。1975年には自社ブランドのワインを開発。2014年にはワイナリー・オブ・ザ・イヤーに輝き、翌年には米国で最も急成長しているトップ10ワイナリーのひとつに数えられる。モントレーやナパにも拠点を広げ、現在2,800ha の所有畑を管理。全ての拠点で CCSW ※のワイナリーと畑認証の両方を取得している。ローダイ中心部の丘陵地帯には 530ha の畑を所有する。

ローダイを象徴する株仕立ての古木。ナーリー(gnarly=ゴツゴツした、イカした・)ヘッドという名のモチーフだ。

「ナーリー・ヘッド」は幅広いポートフォリオの中、デリカートが誇るトップブランドだ。オールド・ヴァイン・ジンファンデルは、1995年に取得したマカロミー・リヴァー地区のクレイ・ステーション・ヴィンヤードやクレイマー・ヴィンヤードをはじめとする契約畑から厳選したブドウを使用。ジャミーなブラックベリーとモカのフレーヴァー、スパイスとヴァニラが層をなすリッチな味わいだ。昨年のリサーチでは米国市場で8~11USD のジンファンデルカテゴリーで販売量・金額ともに1位。全米が愛するワインだ。

 同ブランドから、デリカート設立当時に愛されていたワインへのオマージュとして世に出したのが、1924シリーズだ。同社がブドウ栽培を始めた1924年は禁酒法時代の最中。収穫した果実は友人や隣人に販売していた。ギャングによる密造酒場が乱立した時代、酒飲みたちは、医師がスピリッツを処方できることに着眼し、バーボンの文字の記載があるワインを楽しむ抜け穴を見つけた。こうした天晴な反骨精神と大胆にワインを謳歌した時代への敬意が、バーボン樽熟成のカベルネ・ソーヴィニヨンになって現れた。ローダイ産ブドウからのフルボディのワインをバーボン樽で熟成させたスパイシーかつ濃厚で大胆な味わい。このワインの中に、そしてそれを飲む人々の中にも1920年代のエネルギーに溢れた精神が甦る。シリーズには、スコッチ樽熟成のシャルドネとレッドブレンドとがある。

ナーリー・ヘッドオールド・ヴァインジンファンデル 2020(左)とナーリー・ヘッド 1924 バーボン・エイジドダブル・ブラックカベルネ・ソーヴィニヨン 2020。

※カリフォルニア・サステイナブル・ワイングローイング・アライアンス。『 W A N D S 』第 4 2 7 号( 2 0 2 1 年 7 & 8 月合併号) p . 1 6 ご参照

TOP写真/4世代に亘りカリフォルニアのワイン産業に携わってきたシチリア出身のインデリカート家。大企業となった今なお家族経営を貫く。

問い合わせ
モトックス 0120-344101
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