シチリアの希少な黒豚「ネロ ディ ネブローディ」

 シチリアの豚飼育・加工会社ムリネッロ(Mulinello)社は、シチリア黒豚「ネブローディ」製品のプレゼンテーションを6月に開催した。試食会は4日程で東京の4つのイタリア料理専門店(イタリアーノ・レストラン・スクニッツォ、テラットリア・エッフェ、リストランテ・アクアパッツァアンジェロコート東京)で行われ、各店舗のシェフが「ネブローディ」の黒豚を使った特別メニューを用意し、参加者に振る舞った。輸入元は共同インターナショナル。プロモーション協力はSOLOITALIA。

※2022年1月より、アフリカ豚熱(ASF)の水際対策のためイタリアから豚肉製品が輸入できない状況がなお続いている。今回のプレゼンテーションは先を見据えての開催。

「ネロ・ディ・ネブローディ」は、カルタゴの時代(6〜7世紀)にギリシャからシチリアに到来したと云われている黒豚。かつてはシチリア全土に生息していたが島の森林減少などで頭数を減らし、一時期は絶滅危惧種となった。現在は少しずつ数を増やして2,000頭まで数を回復していると言う(シチリアの森林環境に依存するので数は爆発的には増えない)。生息地は島の北東のネブロディ州立公園(エトナ山州立公園の隣)。脚が長く、鼻が細くて長いのが特徴で、体重130kgの比較的小ぶりな豚である。豚は森の中を走り回り、ドングリや木の根などを食べる。スペインのイベリコ豚と同様、ドングリ由来のメラニン色素のため色が濃く、油もしっかりのった肉となる。

 ネブローディは油分はあるものの重くなく、臭みもなく、なめらかな食感の黒豚である。料理にもよるが、豚肉本来の緻密な味と香りを邪魔しないよう、合わせるワインも赤ならエレガント系の重すぎないものが良いように感じた(実際の試食会ではワインは提供されていない)。島内のワインの多様性でも注目されるシチリア。その理由のひとつがエトナ山を有し火山灰土壌のブドウ畑があることだ。そのすぐ近くに古来から生き延びた希少な黒豚の生息地があった。(N. Miyata)

6月17日/テラットリア・エッフェ(東京・三田)の試食メニュー

①ネロ・ディ・ネブローディ 肩ロース 自家製ポルケッタ サラダ仕立て/なめらかで複雑。洗練された香り。少し骨格のある白や辛口のロゼと。

②ネロ・ディ・ネブローディ バラ肉 スパイス風味ボッリート サルサベルデ/弾力のある厚み。柔らかく、余韻が強すぎず長い。軽いエレガントな赤や、マルサラのフィーネなど熟成感のある白と。

③ネロ・ディ・ネブローディ ロース肉 ロースト フォンドヴォーとサリーナ島ケッパーのソース/運動をしている豚ならでは、引き締まっていて繊維が細かく、弾力がある。シチリアご当地ワインであれば、DOCGチェラスオーロ・ディ・ヴィトリアなど、今回の料理では重すぎない赤が◎。

 

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