ドメーヌ・ド・トリエンヌ/ブルゴーニュの系譜をくむ南フランスワイン

醸造責任者のレミ・ルージエ氏。

「トリエンヌ」の名は、ローマ時代に3年ごとに行われていたバッカスを讃える祭り「トリエンナーレ」に由来する。
ブルゴーニュの巨匠たちが選んだ土地は、2000年もの間ブドウ栽培が行われてきたプロヴァンスの高台だった。

2019年のメルロを熟成中の樽。

ブルゴーニュから新天地へ

ドメーヌ・ド・トリエンヌが設立されたのは1990年のこと。エクサン・プロヴァンスの東、バンドールの北に位置する小さな村ナン・レ・バンは丘の上にあり、畑は南向きの斜面で粘土石灰質土壌だ。ブルゴーニュ好きでなくとも知らずにはいられない大御所、「ドメーヌ・デュジャック」のジャック・セイス氏と「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」のオベール・ド・ヴィレーヌ氏が、パリ在住の友人ミシェル・マコー氏とともに立ち上げたプロジェクトだ。2003年からはセイス家の2世代目となるジェレミー・セイス氏が社長を務めている。

購入当時は、ブルゴーニュとは異なる気候や環境を把握することや畑の改良に随分投資した。標高が高いため南仏でも暑過ぎず日較差も大きい。石灰質も豊かだ。しかし、天候に恵まれているからその分水不足に悩まされた。畑にはユニ・ブラン、カリニャン、サンソー、アリカンテなど量産型の品種が植えられていた。また、サンソーには涼しすぎた。しばらくは既存のブドウに接木していたが、2001年からは台木も変更し、本格的な植え替えに乗り出した。現在、40haの畑には、ヴィオニエ、シャルドネ、シラー、カリニャン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなどが栽培されている。

 

有機栽培への転換

そして、2007年から有機栽培を導入し始め、白ワインは2011年ヴィンテージから、赤ワインは2014年から正式にエコセールの認証を取得した。5年前に来日したジェレミー・セイス氏は、「有機栽培への転換が良い結果を出している」と語っていた。上級キュヴェの「サントーギュスト」の2005年から2014年まで垂直試飲して感じたのは、2008年、2012年あたりで味わいに変化が起きていることだった。全体にタイトで上品なスタイルであることは共通しているが、タンニンのきめ細やかさやテクスチャーのレベルが上がっていた。

「ブドウを信頼し、2013年から温度コントロールをやめた。新樽をゼロにして、カベルネ・ソーヴィニヨンには新しめの樽を、シラーには古めの樽を使用することにした。その結果、濃く凝縮したタイプというよりはハーモニーの取れたスタイルになったと感じている」と、説明していたのを思い出す。

畑での十二分な仕事が醸造所内でのブドウやワインの取り扱いに影響を及ぼすという好例のひとつだ。

「白は新鮮さとアロマを追求し、赤はエレガントで果実味がありながら決して重 くならないワイン。自分たちが飲みたい と思うワインを、化粧に頼らずシンプル に造っている」。

土地と環境に適したブドウ品種の特性 を、華美にではなくきれいに表現した、 コストパフォーマンスの高いワインだ。

左左から「レ・ゾーレリアン 白」、「「レ・ゾーレリアン 赤」、「メルロ」。すべてI.G.P.メディテラネ。新着品からラベルとネックのデザインがリニューアルした。

 

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ラック・コーポレーション
☎ 03-3586-7501
https://www.luc-corp.co.jp

 

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