チリの「グラン・クリュ」と呼ばれるプエンテ・アルト生まれの「ヴィニェド・チャドウィック」2022年リリース開始!

間違いなくチリ最高峰のワインの一つに挙げられる「ヴィニェド・チャドウィック」の新ヴィンテージ、2022年のリリース開始!

「ヴィニェド・チャドウィック」のアジア・パシフィック・リージョナル・ディレクターのジュリアン・ポティエールさんと、アジア・マーケティング・ディレクターのサブリナ・トゥミノさんがひと足さきに2022年を披露してくれた。

プエンテ・アルトはマイポ・ヴァレーのアンデス山脈の麓に広がっている。もともとエデュアルド・チャドウィック氏の父、ドン・アルフォンソが1942年にヴィーニャ・サン・ホセ・デ・トコルナというブドウ畑を含む300haの敷地を持つ農園を購入し、自宅を建設した。当時からここから生まれるブドウは品質が高いことで知られていたという。

しかしドン・アルフォンソは貴族のスポーツと言われるポロの名手でもあり、一部をポロの競技場し、その後に数多くのトロフィーを獲得。19の公式試合で優勝したという実績は、ギネス記録にあと1試合だけ届かなかったという好成績だという。また、1960年代のチリの土地改革により大部分を手放さざるを得ず、ポロ競技場と自宅だけが残ることになった。

ところで、チャドウィック家はもともと英国の出身で、一族の多くは英国や米国で活躍している人が多いという。例えば、イギリス国教会に関わった人物、指揮者、物理学でノーベル賞を受賞した学者、彫刻家など、幅広い。

エデュワルド氏においても、ワイン以外に本業があるいわゆるセレブリティーなのである。そして、父ドン・アルフォンソは末息子のエデュワルド氏に実家に戻ってきてほしかったため、それを条件にポロ競技場をブドウ畑に変えるという彼の望みを叶えることにした。

1992年にポロ競技場だった15haにカベルネ・ソーヴィニヨンを植樹したことが、チリの宝物のようなワインの誕生へとつながっていくことになる。

海老の塩味炒めと。

さて、2022年はどのような気候だったのだろうか。

「2022年もとても良いヴィンテージでした」と、ジュリアンさん。

チリはもともと冬の間にしか雨は降らないが、ここ10年ほどチリ全体で降雨量が少なくなっているという。2022年も冬の降雨量が少なかったため、ブドウにストレスが少しかかった。春は少し涼しい日もあったが基本的に温暖で、萌芽も開花も結実も順調に進んだ。夏は、ヴェレゾン完了直後に気温が低下して、特に1月と2月に日中の気温を和らげる爽やかな風がアンデスから吹き降りることで、ブドウの成熟がゆっくりと進行した。2011年からの過去平均よりも年間で2.2%気温が低かった。

インゲンと細切り牛肉のオイスターソース炒めと。

収穫は、平均より7〜10日遅れて3月20日に始まり、4月5日まで16日間にわたり行われた。その結果、フレッシュな酸味と濃い色、新鮮なフルーツのアロマ、エレガントなタンニンを備えたワインができたと満足そうだ。

ただし2022年は、産地によって気候が異なるようで、栽培や醸造などの生産者がどのように対処するかにより仕上がりに差異が出たヴィンテージのようだ。

 

 

「ヴィニェド・チャドウィック 2022」の、1時間以上前にダブル・デキャンタしたボトルを試飲した。

真鯛の香味揚げと。

整然とした香りには、凝縮した赤い果実、カシス、スパイスなどが感じられる。上品な香りはまだ硬めながら、フローラルさもある。口中では、とてもなめらかなアタックで、テクスチャーが心地よく、実にエレガントでフレッシュ。そしてタンニンがとてもよく熟して細やかで、洗練されている。細く長い余韻には、胡椒的なフレッシュさが感じられる。完成度が高いバランスのため、もちろんまだとても若いが心地良く飲めてしまい、しかも海鮮から肉類までさまざまな料理に合わせられる懐の深さがあるワイン。

ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン96%、プティ・ヴェルド4%

熟成:18か月、フレンチオークの新樽90%。1500ℓのストッキンガーのフードル10%(2015年から、ヴィンテージによって10-20%。これまでは樽熟成期間は22か月だったが若干短縮し、その代わりに瓶熟成を長くし果実の風味をより保つように変更)

(text by Y. Nagoshi)

チリ最高峰のカベルネ・ソーヴィニヨン ヴィニェド・チャドウィック

ヴィニェド・チャドウィック2021年、9月14日に全世界へ向けてリリース開始

チリワインの品質が正当に認められるために一石を投じた勇敢なる試み「ベルリン・テイスティング」20周年記念

「ヴィニェド・チャドウィック」のアジア・パシフィック・リージョナル・ディレクターのジュリアン・ポティエールさん(左)と、アジア・マーケティング・ディレクターのサブリナ・トゥミノさん。

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