スプリングバレーブルワリー サブスクリプションサービス CLUB BTG開始

スプリングバレーブルワリー(SVB)は6月17日から、東京・銀座の直営クラフトビール&デリスタンド「BEER TO GO by SPRING VALLEY BREWERY」(BTG)でクラフトブルワリー初となるサブスクリプション(定額制サービス)「CLUB BTG」を導入開始した。

飲食店経営のデジタル化支援などを手掛けるfavyが提供する「飲食店のためのサブスクツール」を使用する。

「CLUB BTG」は月額制(月2496円/税込)で、平日限定で同店のビール(最大17種)のなかから1日1杯を選んで飲める。通常はレギュラーの提供価格が1杯500円で、毎日通うと概ね月1万円分のクラフトビールが楽しめる。月額料金設定は「来店頻度が平均でだいたい月5回というところから決めた」と、SVB島村宏子社長は説明した。

展開期間は来年秋ごろまでで、銀座ソニーパークのオープン期間に準ずる。ターゲットは20~30代のオフィスワーカーで、獲得会員数は1000人が目標。同サービスの導入で売上げ2割増を見込んでいる。

会員申込URLは

https://www.favy.jp/shops/263262/plans/41

 

成長続けるクラフトビールで働き方改革支援

BTGで13日に行われた説明会で、島村社長は「依然ビールが最も支持されるお酒であることは変わらないものの、市場全体が縮小を続けている。そのなかでクラフトビールが伸長しているのは一過性のブームだからではない。お客様が“それぞれ好みの飲み物を選ぶ”時代に変化してきたことが背景にある」と話す。

そのうえで今回導入する新サービスは『クラフトビールを通じた働き方改革』と位置づける。「働き方改革で生まれる仕事終わりの時間をより豊かにし、改革をさらに推進する。自分の時間をクラフトでリフレッシュ、好みのクラフトを楽しみに仕事を切り上げて1杯だけ、または0次会の“サクッと飲み”の集合場所など、これからの時代に合った、仕事をする人とビールのスマートな付き合い方を提案する」と、新しいビール消費の姿を示した。

また、レジデータと連携して売上分析・顧客管理することで、経験だよりだったビールの購買傾向、サイドメニューとの相性や提案効果なども明確にできることから、「人気ビールの傾向データ等を集めて「タップマルシェ」での提案などのサービス拡大まで検討していく」と話した。

飲食店の課題をサブスクで解決

サブスクツールを提供したfavyによると、飲食店の課題解決をデジタル化で進めるなかで、サブスクリプションサービスの導入効果が高いという。サブスクサービスの国内市場は18年度の5600億円規模から、5年後の2023年度で5割以上拡大した8600億円規模(矢野経済研究所調査データ)になると予測している。

favyの高梨巧社長は「通常の飲食店は売上げの100%が飲食代金に対し、サブスク型はサブスク化分の飲食代金は減るが固定のサブスク売上げが上乗せされる。会員は『お得に利用したい』と高い頻度で来店し、ついで買いや来店頻度の上昇によるアップセル・クロスセルでさらに売上拡大のチャンスがある」と同サービスの導入効果を説明した。同社が2016年10月から東京・西新宿で運営中のコーヒースタンド「cofee mafia」で既にこうした効果が表れていると話している。

 

クラフトビール市場拡大、BTG話題化進む

クラフトビール市場は、2000年代は業務用を中心に伸長。2010年代中ごろには缶や・家庭用の伸びがけん引し、2013~17年でほぼ倍に拡大した。近年は成長率が緩やかになっているが、認知率は18年に88%まで拡大するなど、クラフトビールに興味を持つ人は増え続けている。キリンビールは、市場規模は2019年で前年比10%増の4万4000klと推定している。

 

BTGは2018年8月オープン以来、銀座界隈のオフィスワーカーを中心に話題のスポットとなっている。提供するクラフトビールはSVBコアシリーズ6種類+限定品最大3種類とタップ・マルシェ8種の幅広いラインナップで、香りが楽しめる独自開発の広口ふたを付けた専用カップで提供。季節ごとに変わる17種類のデリや有名料理店とのコラボメニューで、ビールとフードのペアリングを提案している。

 

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