南雲主于三氏に聞く日本のクラフトスピリッツのスピリッツ

2000年代初頭の「焼酎ブーム」から15年。国産蒸溜酒市場はどのように変貌・進化したのか。国産クラフトスピリッツの伝道師としても知られる南雲主于三氏にその現在をうかがった。

焼酎ブーム以後の現在

「日本の酒」というとどうしても日本酒に目がいきがちではあるが、日本にも古くからスピリッツの文化があったと南雲氏。

「穀物や根菜などを用いた、伝統的スタイルを継承する泡盛や焼酎は、日本のクラフトスピリッツと呼ぶに相応しいものです。流れとしては、琉球の泡盛が九州へと伝わったと考えられ、文献的には16世紀に遡る。したがって、日本のクラフトスピリッツには、およそ500年もの歴史があることになります。原料も、米を主体としたものから、やがて芋や麦、黒糖などへと広がりをみせました。2000年代初頭、こうした本格派の焼酎がじわじわと人気を集めるようになり、焼酎類全体の出荷量が日本酒の出荷量を、50年ぶりに上回るなどの社会現象へと結びついたのです。これが前回の『焼酎ブーム』です。」

焼酎も多様化し、また和柑橘や山椒などのいかにも日本的なフレーバーを纏ったスピリッツが続々と発表されている昨今だが、しかし未だ再ブームとまではいえないようだ。

「前回のブームは2007、8年頃に終息しました。このところ、新しいこころみがなされたり、和風のボタニカルを用いたスピリッツが発表されたりと、たしかに国産クラフトスピリッツに注目は集まっていますが、まだブームとまではいえませんね。……」。(取材・文 高山宗東)

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(南雲氏プロフィール)
南雲主于三氏
創造性の高いカクテルを生みだす、今、最も注目されるミクソロジスト。店舗経営の他、プロモーション企画、コンサルティングなど幅広く活躍。『ザ・ミクソロジー カクテル創作のメソッドとテクニック』(柴田書店)など著書、共著書も多数。

(店舗情報)
〈Mixology Spirits Bang〉
銀座1丁目キラリギンザ12階のエンターテインメントラウンジPlus Tokyo内にある、世界初の日本産蒸留酒専門のミクソロジーカクテルバー。およそ200種の日本のクラフトスピリッツおよび、それらを用いた独創的カクテルが楽しめる。

〒104-0061
東京都中央区銀座1丁目8−19 12階 PLUSTOKYO内
03-3563-3770
18時~0時(日曜定休)

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