ドメーヌ・クラレンス・ディロン サン・テミリオンの最高峰を目指しシャトー・クィンタス始動

↑↑ ドメーヌ・クラレンス・ディロン4代目オーナー ルクセンブルク大公国ロベール殿下。畑は合計28haで標高62mに位置し、大きく分けると石灰質土壌と粘土石灰質土壌があり、ブドウの平均樹齢は30年。植樹比率はMR66%、CF26%、CS8%

 

ルクセンブルク大公国ロベール殿下が4代目オーナーを務めるドメーヌ・クラレンス・ディロンは、ボルドー右岸で最高峰のワインを造るためサン・テミリオンでのプロジェクトを始めた。そのシャトー・クィンタスとは、どのようなワインなのだろうか。

ドメーヌ・クラレンス・ディロンの販売会社のマネージング・ダイレクター ジェラール・ブランルイユ

 

5番目のワイン

「クィンタス」はガロ・ロマン時代の言葉で「5人目の子供」を意味すると、来日したドメーヌ・クラレンス・ディロンのマネージング・ダイレクター ジェラール・ブランルイユ。右岸のサン・テミリオンは、ガロ・ロマン時代からブドウ栽培が行われてきた産地で、当時使っていたラテン語の表記が今でも多く使われていることでも知られている。シャトー・クィンタスのラベルには “ CHATEAV QVINTVS” と記されている。ラテン語は21文字しかなく、”V”はアルファベットの”U”を表す。またヴィンテージは数字の他にも記され“MMXIV” は2014年ということになる。

このプロジェクトは、ロベール殿下の発案で始まり、シャトー・オー・ブリオンの赤、白、ラ・ミッション・オー・ブリオンの赤、白、これらに続くワインなので「5番目のニュー・ベイビー」というわけだ。プリンスは、常に何かにチャレンジしようと考えを巡らせている。決して平均的なワインを造ろうとしているのではなく、サンテミリオンの頂点となり、オー・ブリオンやラ・ミッション・オー・ブリオンと肩を並べる品質を目指している。既にできあがったものを手に入れるのではなく、未完成のものに磨きをかけていくのが好きな人のようだ。

2つのシャトー

まず、2011年にシャトー・テルトル・ドゲイを取得した。畑は360度が見渡せる丘の頂にあり、シャトー・アンジェリュスやシャトー・オーゾンヌといった著名なシャトーが近くにある。そして2011年ヴィンテージよりシャトー・クィンタスと改名し、リリースを開始した。しかし、その後も調査を続けてすぐ隣のシャトー・ラロゼも2013年に購入し、2014年から両者のブドウを使うことに決定した。「周辺のシャトーの古酒をすべて購入して試飲し、最もよい熟成をしていたラロゼに注目した。だから、もしも売りに出すようなことがあったら、絶対私たちに! と、お願いをしておいた」という。

ラロゼの畑はすべて南向き斜面にあり、タンニンのストラクチャーと味わいの正確さを加えるのに貢献している。

サン・テミリオンは、メドックとは異なり10年ごとに格付けが改定されるのも、この地区を選んだ理由のひとつのようだ。テルトル・ドゲイもラ・ロゼも、以前の格付けではグラン・クリュ・クラッセだったが、をひとつにまとめたことにより現在は格付けではなくAOCグラン・クリュのカテゴリーに入っている。しかし、今後10年、20年の時間をかけてグラン・クリュ・クラッセに復帰し、さらにはプルミエ・グラン・クリュ・クラッセへと格上げしていきたいと考えている。

「プリンスの祖父の時代、1935年にはオー・ブリオンでさえ利益は出なかった。しかし45年間ずっと投資し続けた結果、1980年代になってはじめて日の目を見ることができた。クィンタスにおいてもなすべきことは決まっている。トップになること」。

どちらの畑も、1868年から1949年の間には最上級のクラスにランキングされていたという。そこにオー・ブリオンのチームが到着した。その中には、ジャン=フィリップ・デルマスの姿もある。既に高い品質のワインができあがっているが、今後の格付けの変化も見逃せない。(Y. Nagoshi)

 

輸入元:都光

https://www.toko-t.co.jp/products/wine.php

 

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