特集 人気上昇が続くウイスキー市場 1~11月も各社好調、11年連続増確実に 2020年も勢い持続へ

ウイスキーは、酒類総市場が縮小するなか2019年は課税数量で11年連続の拡大は確実。ハイボール人気をけん引役に、ロック、水割り、ストレートなど多様な楽しみ方の提案が続く。2020年も、国産・輸入ともに勢いが加速しそうだ。

 

増税後も順調な動き 

課税数量では2008年以降10年連続で増加しており、2019年も2桁増での着地が見えてきた。こうした旺盛な需要に対して国産ウイスキーの原酒事情は依然タイトな状態にあるが、輸入ウイスキーとの相互補完関係で安定成長へとつながっている。

成長をけん引するウイスキーハイボールは依然人気で、使う酒の銘柄指定などこだわり具合に進化が見られることも、いっそうの人気上昇を期待させる。国産各社が急ぐ生産設備の増強効果が出るのはもう少し先になりそうだが、2020年も成長株として期待されている。

国税庁が公表している直近の2019年1~8月課税数量では、ウイスキーは国産・輸入合計で前年同期比111.2%の12万6704kl(1508万4000ケース、1ケース700ml×12本換算)。うち国産ウイスキーは110.3%の10万6945kl(1273万2000ケース)、輸入ウイスキーは116.2%の1万9759kl(235万2000ケース)で、国産・輸入のいずれも2桁増。

また日本洋酒酒造組合が公表している国産洋酒移出数量では1~10月「ウイスキー」は108.4%の12万9419klと二ケタに近い伸び。財務省関税局が公表する輸入通関数量の1~10月「ウイスキー」は121.9%の4万7665klと課税量の動きとほぼシンクロしており、伸び率の確実性を裏付ける

なお、10月の消費増税では大容量のウイスキーなどに駆け込み需要が見られた。直接的な影響はそれほど大きなものとはならなかったようだが、ポイント還元策は消費意欲に刺激を与えた。また、同時期に行われたラグビーワールドカップでは外食等での盛り上がりもあり、増税後も順調な動きは続いていきそうだ。(M. Kitayama)

 

つづき<増産進める国産ウイスキー> <急がれる“ジャパニーズウイスキー”定義化><大手の取り組み> は、ウォンズ2019年1月号をご覧ください。
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