- 2015-12-25
- Wines, オーストラリア Australia
ヤンガラ・エステイトは、2000年よりジャクソン・ファミリーが興したプロジェクトで、醸造長のピーター・フレイザーは畑選びから関わっている。マクラーレン・ヴェールに土地を購入したのは2001年11月のことだった。
「私は26年間ワイン造りをし、以前はノーマンズやセント・ハレットで経験を積んだ」。マクラーレン・ヴェールで生まれ育ち、アデレード大学で学んだ人物だ。
<冷涼な土地でのワイン造り>
ジャクソン・ファミリーが所有するカリフォルニアのブティック・ワイナリーのほとんどは、ヒルサイドの冷涼な環境にある。だから、ここでも標高が高く冷涼な気候にあるところがよいだろうと考えた。ブルーウィット・スプリングはアデレードに近く、標高150〜210mに位置しており、冷涼な気候下にある。ノーマンズのオーナーが所有していたので、掛け合って取得に至ったという。
40haの畑には、樹齢70年のグルナッシュが植えられている。5,600万年前の地層で「ノースマスリン・サンドストーン」という、鉄分を多く含む砂質土壌が下層にあるのが特徴だ。上層には白い砂が豊かな場所もあれば、砂岩がむき出しになっている区画もある。その特徴的なピュアな砂質に植えられたグルナッシュと、鉄分の多い砂岩のシラーズは、ここのフラッグシップとなっている。
<シングル・エステイトで南ローヌ品種>
「オーストラリアの多くの造り手は、様々な場所から葡萄を購入してワインを造っている。しかし、ヤンガラは欧州風に自社畑のぶどうだけでワイン造りを行う、という方針だ」。
そして、他のマクラーレン・ヴェールのワイナリーより冷涼な地に畑を所有しているため、よりエレガントなワインに仕上がる。マクラーレン・ヴェールの他のワイナリーより、収穫時期が1か月も遅いのだという。
また、購入した当時は、グルナッシュだけでなく、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネなど多くの品種が植えられていた。オーストラリアの90年代のトレンドを振り返ると、その理由がわかる。しかし、ここは地中海性気候にあることから、南ローヌ地方の品種にフォーカスすると決めた。
「スペインやイタリアの品種も考えてはみたが、あまり多すぎると混乱するから、南ローヌにフォーカスを置こう」と決め、もともとあったグルナッシュに加え、シラーズ、グルナッシュ・ブラン、ピクプール・ピネ、ヴィオニエ、ブールブーラン、マルサンヌなど、シャトーヌフ・デュ・パープの認定品種13種類を栽培している。
新しく栽培を始めたものの一部は、昔から植わるカベルネ・ソーヴィニヨンなどに接ぎ木した。砂質の土壌はフィロキセラの心配はないが、岩質の場合には念のために台木を使用している。ちなみに、今年初めてヴィオニエ100%の白を数量限定で造ったばかりだったが、2か月で完売してしまった。
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