マクラーレン・ヴェールより「ヤンガラ・エステイト」の醸造長 ピーター・フレイザー来日

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<エレガントなスタイルを追求>

ヤンガラのワインは、精密な自動選果装置で選別され、破砕せず、天然酵母のみで醗酵される。圧搾は伝統器なバスケットプレスの現代版ステンレス製で、熟成用のオークはフランス製で新樽は多くて20%まで。いくつものこだわりと共に造られている。

畑では、2008年から化学的物質の投与をやめ、2012年にはオーストラリアの有機栽培認定も取得、ビオディナミの手法も導入した。

「目的は、より土地の個性を表現するためで、それには健全な土が必要だと考えたから。より微生物が活発な土壌にすることが必要だ。テロワールを反映したエレガントなワイン。これがヤンガラのスタイルだ」。

特に、砂地からできあがるワインは香りが高い。例えば、シャトーヌフ・デュ・パープでも、シャトー・ラヤスをはじめ少数ワイナリーだけが砂地で、エレガントで香り高いワインを生み出しているのと同じだという。

「最近、ようやくマクラーレン・ヴェールでもサブ・リージョンや単一畑の話ができ始めたところ。ヤンガラではあくまでも単一畑、単一区画の土地の表現をしていく。特に赤はグルナッシュ、白はマルサンヌにかけている」。

PF・シラーズ2015

「どこまで自然にできるかどうかトライした」亜硫酸無添加ワイン。収穫から瓶詰めまで6〜8週間という早さ。初ヴィンテージは13年。ハツラツとした果実の風味が印象的で、フレッシュでヌーヴォー的感覚で飲める。

アイロンハート・シラーズ2012

12区画あるシラーズの中でも、最も高品質。土壌は赤い鉄鉱石。香りはまだ閉じ気味ながら、スパイスが感じられ、がっちりとした深みのある香り。味わいもしっかりとして、若々しい酸があり、数年待ちたい。

ハイ・サンズ・グルナッシュ2012

こちらは標高210mの砂質土壌。1946年植樹の株仕立てのグルナッシュ。イリゲーションもなし。香りも味わいもとても上品で、酸も高くフレッシュ感に溢れている。こちらも数年置いてゆっくり開くのを待っていたい。

(Y. Nagoshi)

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