“復活のマルエフ”「アサヒ生ビール」缶を発売 11月には「黒」も

アサヒビールは9月14日からビールの新商品「アサヒ生ビール」を発売する。「スーパードライ」に次ぐ第二の柱に育成する計画で、2026年までに1,000万ケースを目指す。

元祖“コクがあるのにキレがある”、まろやかなうまみで、ゆっくり味わえる生ビール。「スーパードライ」発売前年の1986年(昭和61年)に発売し、その前まで低迷を続けていたアサヒを復活に導いた。スーパードライの爆発的ヒットで生産体制を集中させるため、一般向けの缶はやむなく93年に終売したが、飲食店の熱い要望により一部店舗に限って樽販売を継続。社内開発記号“マルエフ”の愛称で、全国4000店の取扱いでファンに愛され続けてきた。

 今回、中味は当時のまま、パッケージを大きく変更。“マルエフ”の由来の“幸運の不死鳥(Fortune Phoenix)”のアイコンを大きく配するとともに、“通称 マルエフ”、“復活の生”という文言を記載した。
価格はオープン。スーパードライと同価格帯で350㎖が実勢219円前後、500㎖で286円前後。アルコール分4.5%。純アルコール量は350㎖12.6g、500㎖18g。初年度販売目標は150万ケース。

また11月24日には「アサヒ生ビール黒生」を発売する。1982年に日本初の黒生ビールとして発売した「アサヒ黒生ビール」がルーツ。麦芽の芳ばしい香りと苦味が少なくやや甘味を感じるまろやかなうまみを実現。2012年の「スーパードライ ドライブラック」発売により、2015年に終売したが今回復活を果たした。
 アルコール分5%。純アルコール量は350㎖14g、500㎖20g。販売目標25万ケース。

新商品発表会を9月8日にオンラインで行い、松山一雄専務マーケティング本部長は発売の背景を「約3年半ぶりとなるビールの本格的新商品。消費者ニーズが多様化するなか、スーパードライと違った役割の二本柱で応えていく」と説明。
時代背景が競争・自己主張から共生・共有の時代へ変化している一方、コロナ禍でコミュニケーションが希薄化するなかで“ぬくもり”を生活のどこに求めるかに注目。レトロブームやD.I.Yなど“温もりある心地よい時間を求めている人”、“家でゆったりまったりお酒を楽しむ人”に向けて商品開発。「スーパードライは明日への活力、“マルエフ”は癒しや情緒に寄り添う商品」(松山専務)と話した。

 また倉田剛志新商品開発部長は販売戦略を「飲食店と連動したプロモーションに力を入れる。取扱飲食店のインタビューや“マイルド注ぎ”の紹介、業務用POPやロゴグラス、消費者キャンペーンなどを展開する」と述べた。
広告展開では、アルコール商品では初となる新垣結衣さんを広告キャラクターに起用。CM楽曲に竹内まりやさんの「元気を出して」を使用するなど、昭和イメージの“ぬくもり”のある世界観を演出。Web、SNSなどデジタルも活用し幅広い情報発信を行っていく。

 

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