南米産ワイン評価誌として名高い『デスコルチャドス』は、「モランデ」を「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー2022」に選出した。チリワイン界において常に挑戦し続けてきたパイオニア精神、ダイナミックで戦略的なアプローチを高く評価してのことだ。
チリで最も革新的な生産者モランデ・ワイン・グループの一員ビニャ・モランデは、改革と品質至上の縮図だと言える。パブロ・モランデ氏が1996年に創業して間もなく、カサブランカ・ヴァレーで初めてブドウを植樹した。その大胆さが表すように、将来への大きなヴィジョンも持つモランデのパイオニア精神は、常に一歩先を行き永久に革新を続けている。新たな醸造法をいち早く取り入れたり、一方で伝統的で忘れ去られていたフードルの使用に立ち戻ったりもしている。また、チリで初めて遅摘みワインを生産したワイナリーでもある。さらに、2004年から1ha あたり1万本以上の密植を始めた。ブドウ1株から1kg を手摘みで収穫する。また、チリの当局がカリニャンをファインワイン用の品種に認める以前に、カリニャンの古木に可能性を見出している。もちろん、古木のカリニャンに注目した「ビーニョ(カリニャンワイン生産者協会)」の創業メンバーのひとつである。そして醸造責任者リカルド・バティグ氏は、モランデ氏による「アヴェンチュラス」プロジェクトを継承。たゆまぬ探究心、そして25年以上に亘る異なる表情のワインを生み出すさまざまな産地を探し出してきた経験により、チリ最南端の産地のひとつマジェコ・ヴァレーに辿り着いた。シャルドネなどの栽培を始め、類まれな優雅さと複雑性を備えるワインを創り出した。ビニャ・モランデは創業以来、改革を明確にフォーカスしてきた。前述の例をはじめ数えればキリがなくその姿勢は明確だ。
「エステイト・リザーヴ ソーヴィニヨン・ブラン2021」は、カサブランカ・ヴァレーのロ・オバル地区で最も涼しい単一畑ベレンのブドウを使用。
「グラン・リザーブシャルドネ2019」も、単一畑ベレンより。ストラクチャーを得るため40%果皮とともに発酵。複雑性やボリューム感のため発酵中の濁度を高めに保っている。発酵と熟成は300l、500l、40hl のフレンチオークとアカシアの樽で。「ヴィーニョ2019」は、マウレ・ヴァレーにあるサンタ・エレナエステイトのスカーノ(無灌漑)畑で1950年代植樹の樹齢65年以上のカリニャン主体。フレンチオークのフードルと3 年目のバリックで24か月熟成。「ハウス・オブ・モランデ2019」は、アルト・マイポにあるサン・ベルナルドの最良区画から、粒選りしたカベルネ・ソーヴィニヨン79%、カベルネ・フラン16%、カリニャン3%、シラー 2%。フレンチオークのバリック、その後20hlと40hlのフレンチオークとジャーマンオークのフードルで熟成。モランデはとても多くの賞を受賞している。例えば「ビーニョ 2019」は、ジェームス・サックリングより94点を、「ハウス・オブ・モランデ」は『デスコルチャドス』より98点を獲得し「ベスト・レッド・ワイン」を受賞。「クレオル2019」は、『ワイン&スピリッツ』より93点を、「ブラック・シリーズ・シャルドネ2020」はティム・アトキン MW より95点を獲得した。これらすべてのマイルストーンに対し、「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー2022」が与えられたのだと言える。優れた品質、テロワールへの深い敬意、そして常に革新的な姿勢。テロワールを最大限に表現したワインを通し、ダイナミックで冒険心に溢れた精神を反映したポートフォリオを創り上げている。
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Morandé Wine Group, Tatiana Hirsch thirsch@morande.cl https://morande.cl/web/
続きは、WANDS 7-8月号
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