シャブリ・プルミエ・クリュのクリマ

「ブルゴーニュではクリマという言葉が日常的に使われますが、その概念はなかなか分かりづらいものです。フランス語のClimat は英語のClimate に当たり気候を意味するので、そちら側の概念に引きずられますが、現在、ワインの世界で使われているクリマはかつて修道僧が使っていたKlimat から来たもので、その語源は斜面を意味するギリシャ語です。つまり日当たりの良い斜面を修道僧はクリマと呼び、よいクリマがプルミエ・クリュ、グラン・クリュになったのです。気候のクリマと混同されてしまったのは残念です」と、エリック・ザブロスキーはいう。

 

ブルゴーニュワイン学校で、特にシャブリとオセロワのクリマ、畑に関する講義を行っているエリック・ザブロスキー

ブルゴーニュワイン学校で、特にシャブリとオセロワのクリマ、畑に関する講義を行っているエリック・ザブロスキー

シャブリのクリマを説明できる生産家を紹介してほしいとブルゴーニュワイン委員会に依頼して、出会ったのがエリックだ。1970 年代からウノローグとしてブルゴーニュワインの生産に携わり、特にシャンパーニュ・アンリオ買収以前のドメーヌ・ウイリアム・フェーヴルで長く働きシャブリのクリマについて深い知識を得た。現在はブルゴーニュワイン学校で特にシャブリとオセロワのクリマ、畑に関する講義を行っている。また、少人数のワイン愛好家を集めて実際に畑を訪れ、クリマを説明するワインツアーも開催している。

 

現在、公式に使われているシャブリ・プルミエ・クリュのクリマは40 ある。隣接するクリマをまとめて17の代表クリマが定められている。代表クリマはフランス語でクリマ・ポルト・ドラポー(旗手のクリマ)と呼ばれている。例えば、ポルト・ドラポー・ヴァイヨンの傘下にはヴァイヨン、レ・リス、セシェ、レ・ゼピノット、シャタン、ロンシエール、ブニョン、メリノの8クリマが含まれる。それぞれ単独のクリマ名をラベルに記載することもできるが、代表名ヴァイヨンを記すこともできる。また、いくつかのクリマをブレンドした場合も代表名ヴァイヨンが使われる。

 

他方、モン・ド・ミリュ、コート・ド・レシェのようにクリマが一つだけで代表名を兼ねるところもある。(T. Matsuura)

 

シャブ・プルミエ・クリュ(シャブリワイン委員会より)

シャブ・プルミエ・クリュ(シャブリワイン委員会より)

つづき 「40クリマを17の代表クリマに分類」「左岸は南東向き、右岸は南西向き」「左岸の北西向き斜面はジェネリック」「遅霜は深刻な問題、2016年も甚大な被害」「フルシュは絞首台、ロンム・モールは死人」「扇形の南向き斜面モン・ド・ミリュ」 につきましては、ウォンズ6月号をご覧下さい。ウォンズのご購入・ご購読はこちらから

画像:シャブリの降霜対策(シャブリワイン委員会より)

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