- 2025-5-22
- Wines, フランス France, ボルドー Bordeaux

2024年産プリムール試飲会のオープニングセレモニーで挨拶するシャトー・フィジャックのブランディーヌ・ド・ブリエ・マノンクール社長
2024年4月14日、ボルドー、サン・テミリオンのシャトー・フィジャックで、ユニオン・デ・グランクリュ・ド・ボルドー(UGCB)主催による2024年産プリムール試飲会のオープニングセレモニーが行われた。
歓迎の挨拶を行ったシャトー・フィジャックのブランディーヌ・ド・ブリエ・マノンクール社長はUGCBの創設におけるブランディーヌさんの父親、故ティエリー・マノンクール氏の先駆的役割に言及。特に1974年、ボルドーの右岸と左岸の生産者が初めて団結し、当時まだボルドーワインの認知度が現在ほど高くなかった日本市場へその魅力を伝えるために海を渡った歴史的経緯を紹介した。これはUGCBの国際展開における重要な一歩であり、「当時としては大きな挑戦であり、また極めて革新的な試みであった」と、その歴史的意義を強調した。
続いて登壇したUGCBのフランソワ=グザヴィエ・マロトー氏会長は、2024年産について「ワイン生産者にとって困難な年であった」と認めつつも、「ボルドーのノウハウと、人的および技術的投資のおかげで、私たちは成果を上げることができた。それを誇りに思う」と、生産者の努力を評価した。
2024年産の特徴として、「以前のヴィンテージよりも凝縮度は低いかもしれないが、若いうちから楽しむことができ、その心地良い果実味が愛好家を満足させるだろう」との見解を示した。そして、マロトー会長は「ここに集う生産者、ジャーナリスト、ディストリビューター全員が、読者や顧客に、若いボルドーを開けることをためらわないでほしい、ボルドーワインは若くても大いに楽しめると伝えていただきたい」と語った。そして、国際市場の厳しい状況に言及しつつ、マロトー会長は「困難な状況にあるが、ボルドーは再起するための全ての要素を持っていると確信している。私たちはかつてないほど、最も手頃なものから最も名声のあるものまで、全範囲を網羅する高品質の良いワインを生産してきた。UGCBの中心にあるこの多様性は、大きな強みである」と強調した。そして「市場への投資を続け、専門家を育成し、ワインのために私たちのエネルギーを維持しよう」と関係者に呼びかけた。
(photos & text: Toshio Matsuura / Paris)
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