シャルドネ・ローズ シャンパーニュの遺産に再び息を吹き込む、忘れ去られたブドウ品種

シャルドネ・ローズ シャンパーニュの遺産に再び息を吹き込む、忘れ去られたブドウ品種

シャンパーニュ委員会(CIVC)より、以下のリリースが到着した。シャルドネ・ローズが今後シャンパーニュの特性にどのような影響をもたらすのか興味深い。

 

 2025年10月16日、エペルネ

シャルドネ・ローズがシャンパーニュAOCの生産規定に正式に認定された。シャルドネ・ブランの自然変異種であるこの古代品種は、既に認可されている7つの主要品種に加わり、シャンパーニュで栽培が認められるブドウ品種は合計8種となる。 

忘れ去られたブドウ、再び脚光を浴びる

シャルドネ・ローズはシャルドネ・ブランの自然変異として、1900年代初頭にはすでにシャンパーニュやブルゴーニュで確認されていた。熱意ある栽培家たちによって守り継がれてきたものの、これまでは研究用の保存畑やごくわずかな区画でしか見られなかった。2018年にフランスのブドウ品種カタログに登録されたことで、正式な植物学的アイデンティティが与えられ、増殖が可能となった。 

原産地統制名称シャンパーニュにおける公式認定

2025年7月31日以降、シャルドネ・ローズはシャンパーニュAOCの主要品種のひとつとして正式に認可された。この決定は、シャンパーニュのブドウ畑が持つ遺伝的多様性の価値を継承・発展させるうえで重要な一歩となる。 

賢明な適応の象徴 

「Voltis(ヴォルティス)」のような交配によって生まれた品種とは異なり、シャルドネ・ローズは自然が生み出した偶然の産物である。その導入は、気候変動という課題に直面しながらも、自然と調和しつつ進化するシャンパーニュの知恵と柔軟性を示すとともに、忘れられた歴史とのつながりを取り戻すというシャンパーニュの姿勢を体現している。 

シャルドネ・ブランに近い特性

農学的にも醸造学的にも、シャルドネ・ローズはシャルドネ・ブランに非常によく似ている。ワインにさわやかさをもたらす一方で、何よりもこのブドウが語る物語こそが唯一無二の魅力である。 

多様でありながら凝縮された品種構成 

シャンパーニュの歴史は、主に3つの主要品種──ピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネ・ブラン──によって築かれてきた。この3品種がシャンパーニュのブドウ栽培のほとんどを占めている。一方、いわゆる「マイナー品種」とされるアルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ、そして今回加わったシャルドネ・ローズは、全体のわずか0.5%にとどまる。それでもこの追加は、シャンパーニュが遺伝的多様性や植物遺産を守り、気候変動に適応していく強い意志を示すものである。 

 

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