マンズワイン 小諸ワイナリー カベルネの東山、メルローの小諸

↑↑ 上田市塩田平の東山地区にあるブドウ畑は、なだらかな南向き斜面に広がる。ところにより東向きの区画も。訪問した8月28日は最高気温が28度の快晴で、山から吹き抜ける風が、樹間1m、畝間2.3mの畑を通り抜ける。取材中に畑の中を鹿が横切るというハプニングがあったが、タヌキも山から降りてくることもあるという。 ↑↑

 

長野・埼玉・山梨にまたがる甲武信ヶ岳を水源とし、新潟に入ると信濃川と名を変える千曲川。長野県の東側にある東信地区は、佐久盆地、上田盆地を貫くその千曲川の扇状地にある。かつては養蚕業が盛んだったが、今は千曲川ワインバレーとして8市町村にわたる広域ワイン特区にも指定され、志の高い生産者が次々と新規参入している。この地をいち早く見い出し、そして牽引してきたのが「マンズワイン小諸ワイナリー」だ。

 

マンズワインの小諸ワイナリーでは、年間約10万本のワインが生産される。そのうちのほぼ7 割が、国産プレミアムワインの「ソラリス」シリーズだ。ワイナリーのある小諸市は年間降雨量が約870mm、晴天が年間235日にもおよび、日較差のある内陸性気候をもつ。このヨーロッパに近い気候と、絶滅しかけていた善光寺ぶどう(龍眼)に、3代目社長の茂木七左衛門が着目し、1973年、市街を見下ろす丘陵地にワイナリーを築いた。(中略)

とくに質の高いブドウが生み出されるのは、千曲川右岸の小諸ワイナリー周辺と左岸の上田市東山地区。偶然なのか、それぞれのテロワールが育むブドウ、そしてワインの個性はボルドーの右岸と左岸の関係によく似ている。

右岸にあたる小諸ワイナリー周辺は、標高650~700m、水分をほどよく含んだ冷たい火山性粘土質土壌。後述する上田市東山地区よりも100mほど標高が高く、気温も約1℃が低いため、シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、メルローの栽培に向いている。通常東山に比べて小諸の方がヴェレゾンも遅くなるのだが、2019年はメルローのヴェレゾンが同時に始まったそうだ。ワイナリーの西側にある西原地区には、メルローのトップ・キ ュヴェ「ソラリス 信州 小諸メルロー」 の大部分の畑があり、ブドウはひとつの 新梢にひと房まで摘果して果実の成熟度 を上げている。収量をしっかりと管理することによって、ピラジンが無く、フレッシュな果実主体のフルーティーさに焦点が当たる。小諸はマイナス10℃以下になることはそれほど多くなく、塩尻のような凍害除けの藁を巻かずに済むという。

(中略)

「ラ・クロワ」と名付けられた東山にある1ha の区画は、2016年からシングル・ヴィンヤードのワインとしてリリースされている。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを7:3で植樹。畝は南北方向で、コルドンの垣根栽培。南向きの緩やかな傾斜がある。「1つの区画からもっとテロワールを表現したい」と栽培醸造家の西畑徹平さん。ヴィンテージの個性が出てくると、同じ畑でもパワフルになったり、エレガントになったりもするようだ。

「ソラリス 信州 小諸メルロー2016」。低収量(31hl/ha)のメルローは凝縮感に溢れ、ポムロールを連想させる。プラムやカシスリキュールの香りに包まれ、丁子や甘草などのスパイス香がアクセントに。ジューシーに広がる果実味の中にタンニンのグリップが感じられる。熟成後が楽しみだ。

「ソラリス 信州 カベルネ・ソーヴィニヨン2015」。水はけの良い上田市塩田平のカベルネ。カシスと黒コショウ、コーヒーのフレーバー。力強いが、品種由来の清涼感と酸味の高さが全体を引き締める。

「ソラリス 信州 カベルネ・ソーヴィニヨン/ メルロー東山ラ・クロワ2016」。この年は約4,000本を瓶詰め。17 年は2,000本余り。熟成感が出始め、イチジクやプラム、丁子の香り。滑らかなタンニンと伸びのある酸味があり、エレガントなワインに仕上がっている。(Rie Matsuki)

<お問い合わせ>キッコーマンお客様相談センター0120−120−358

 

中略部分はWANDS 2019年10月号をご覧ください。
10月号は「国内ワイン特集2019 長野ワインの現在・過去・未来」
「スコットランドでも建設ラッシュ 今、注目のウイスキー」特集です。
ウォンズのご購入・ご購読はこちらから
紙版とあわせてデジタル版もどうぞご利用ください!

関連記事

ページ上部へ戻る