ニコラ・ジョリーが率いる バイオダイナミック生産者集団 8年ぶりに東京に集結

本物のワインとは、その土地固有の特徴、すなわちアペラシオンを表現したもの。このAOC原点回帰をバイオダイナミック農法の実践を以て実現することを提唱するニコラ・ジョリーが2001年に創設したグループが「ルネッサンスデアペラシオン」。現在、13か国からの230以上の生産者が所属する。

今回、東京に集結したのは、12か国からの68生産者。11月4日(月祝)と5日(火)の2日間にわたるテイスティングイベントを開催し、ワイン業界関係者800人の来場者を集めた。東京での開催は2005年・2007年・2012年に続いて4回目。これまでは毎回11月の平日開催だったが、今回は初の休日開催も。遠方からの参加者には喜ばれたようだ。

各日400名で募集を締め切ったが、これに漏れた応募者も多数いたとのこと。ワイン業界関係者にとってはニコラ・ジョリーの主張する内容や、バイオダイナミックのワインは、もはや新規性のあるものではないが、関心の高さは衰えていないようだ。ワインを注ぐ生産者と来場者との間で交わされる会話からも、自然派というワードで集客していた過去3回の客層と比べるとプロフェッショナルであることが窺い知ることができた。バイオダイナミックは市場ではむしろ定着の方向にあると言えよう。

初日には「バイオダイナミックワインとは何か?」と題したニコラ・ジョリーによるセミナーが開催された。彼の言うアペラシオンとはワイン法的なAOCに限らず、その土地らしさを意味する。それは特定の気候条件や地質を表現する素晴らしいコンセプトなのに、間違った現代農業が破壊してしまう。人工的・化学的なもの、培養酵母、遺伝子操作、電磁波を排除しないと、ワインのオリジナリティは出せない。世界で流行の何の定義もないナチュラルワインに騙されてはいけない、と、オーガニックやバイオダイナミックとの明確な線引きをした。

 

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