春の陽ざしを思わせる、まさに絹のようになめらかな「シルクエール」、スプリングバレーブルワリー東京限定発売。

代官山にあるスプリングバレーブルワリー東京で、2月18日から「シルクエール」の限定販売が始まった。これは白ビールで、スプリングバレーブルワリーの定番「on the cloud」と同じカテゴリーに入る。昨年発売した白ビールの「代官山ホワイト」は、世界5大ビールコンペティションのひとつであり年に一度日本で開催される歴史ある審査会、「International Beer Cup 2021」の<アメリカンスタイル・ウィートビール部門>で銀賞を受賞している。

さて、今回の「シルクエール」がどのような白ビールなのか、ヘッドブリュワーの古川淳一さんに聞いた。

 

古川さんに「on the cloud」、「代官山ホワイト」、「シルクエール」の関係性について尋ねると、「大前提として白ビールは『スプリングバレー豊潤<496>』を補完するカテゴリーになると、私たちは考えています」と言う。

「『スプリングバレー豊潤<496>』は、ビール好きの方たちに対してクラフトビールを知るきっかけ、入り口になるように開発した、味わいのしっかりとしたビールです。それに対して7年前に開発した定番の『on the cloud』をはじめとする白ビールは、ビールの苦味が苦手であったりビールそのものがあまり得意でない方たちにも、抵抗なく飲んでもらって『おいしい!』と言ってもらえる存在です」と古川さん。

つまり、クラフトビールの館があるとするならば、「スプリングバレー豊潤<496>」が館の門で、「シルクエール」はその門へいざなう広場や公園といったところだろうか。

 

そして、「on the cloud」は作り込まれていて、ある意味で完成形の白ビールだと言う。

「ニュージーランドのネルソン・ソーヴィンという名前のホップを使用しています。ワイン用のブドウ、ソーヴィニヨン・ブランのような香りがして、チオール成分もあるとわかっています。『on the cloud』が3つの白ビールの中で最も個性的なタイプです」と古川さん。

ネルソン・ソーヴィンは、ニュージーランド南島のワイン産地として知られるネルソン生まれのホップだった。ちなみに、ワイン関係者ならご存知だろうがソーヴィニヨン・ブランのグレープフルーツやパッション・フルーツの香成分がチオール化合物であることを見つけたのは、ボルドー大学の故・富永敬俊氏=タカさんです。そして今では、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの方が本家ボルドーよりもチオールが圧倒的に多いことがわかっている。

それに対して、「昨年の『代官山ホワイト』と今回の『シルクエール』は、よりライト・ユーザーへ向けて飲みやすさを追求しました」。

通常、白ビールは小麦麦芽や小麦を使用する。ただ、「代官山ホワイト」はすっきりとした味わいにするために小麦麦芽ではなくて生の小麦を使ったそうだ。

そして、「シルクエール」は小麦麦芽も大麦麦芽も使用するが、コーングリッツによってさらに味わいをすっきりさせ、全体にスムーズでシルキーな口当たりに仕上げた。また、ホップの香りも「代官山ホワイト」よりもおとなしめにしたと言う。

理由は、「マスカット香などのチオール系の香りは人によって閾値が違うので、高評価する人から苦手だと感じる人まで評価の幅が広い」からなのだと言う。確かに、ソーヴィニヨン・ブランの香りも、華やかであればあるほど好き嫌いが分かれる。

 

グラスに注がれた「シルクエール」は、ほのかに濁りのある明るい色。柑橘類を思わせるフルーティーな香りが口中で広がるが、確かに強すぎずしとやかな感じ。フレッシュでしなやかな口当たりで、まさにシルキー! 穏やかですっきりとしながらもうま味があり、しっとりとした後味。苦味は本当にほのかにしか感じられない。

霞のようなほのかな濁り加減、爽やかな味わいから、穏やかな春の陽ざしを連想させた。

「真鯛のカルパッチョのような、白身魚に良く合いますよ」と、古川さん。 季節感を狙って出したわけではないようだが、まさに今が旬! の味わいだ。

 

<おまけ:古川さんのミニミニクラフトビール講座>

白ビール、ホワイトビールにもいくつか種類がある。

ヴァイツェン、ベルギー・ホワイト、アメリカンスタイル・ウィートビールは、それぞれ何が違うのだろうか。

共通点:小麦麦芽あるいは小麦を使用する。苦味が少ないビールが多い。

ヴァイツェン:ドイツの白ビール。ヴァイツェン酵母を使用しているため、バナナやクローヴと言った独特の香りがある。苦味は少なく、泡立ちが良い。

ベルジャンホワイト:味わいの幅が広いが、オレンジピールやコリアンダーといった副原料を使用することが多い。ベルジャン酵母を使用している。

アメリカンスタイル・ウィートビール:アメリカのクラフトビールのトレンドとともにヒットしたカテゴリー。ホップは使用するが苦味があまり出ないように調整している銘柄が多い。酵母はいわゆるエール酵母。

比較しながら味見すると3つのスタイルの明確な違いがわかるようだ。試してみよう!

(Y. Nagoshi)

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