ファームストン試飲会 ミニレポート

6月21日、オーストラリア専門のインポーター、ファームストンの単独試飲会がザ・プリンスさくらタワー東京で開催された。ラインナップは「オーストラリアの自然派、クリーンナチュラル」「業務用専用ワイン」「ノンアルコール、ノンカフェイン」「SDGS&オーガニック」の4ジャンルに分かれた90アイテム。

サステイナビリティの取り組みはワイン産業の未来とも切り離せない。ファームストンが複数ブランドを輸入する大手のデ・ボルトリは、このテーマにおいて一般消費者にもわかりやすい商品政策をしている。オーストラリアの環境問題は2019年から2020年にかけて大きく報道された大規模な山火事のニュースが記憶に新しい。デ・ボルトリの「17 TREES」シリーズは森林復興のため2008年から始まったプログラムだ。サステイナブル農法で、ヴィーガン・フレンドリー。ラベルには17本の木と一台の車が書かれている。これは車が排出する二酸化炭素を相殺するため、ワイナリーの車一台につき17本の木を植える活動を表している。現在「17 TREES」のワインが6本売れるごとに1本の木が植樹され、裏ラベルのQRコードから実際に何本の木がこれまで植樹されたを確かめることができる。7月5日現在は62726本(公式サイトより)。ラベルを見れば活動の趣旨は一目瞭然なため、消費者にとってもこれはわかりやすい”エシカル商品”はではないだろうか。間接的とはいえ消費者もワインを買うだけで植樹活動に参加できるので、購買にも能動的な効果が期待できる。品種は「ピノ・グリージオ」「シャルドネ」「シラーズ」の3アイテム。ピノ・グリージオは少し熟度のあるシトラス系の味わい。酸が丸くて食欲を促す。シラーズはアタックにミネラル感。熟したベリーやダークチェリーの味わい。

「オーストラリアの自然派、クリーンナチュラル」のブースで賑わいを見せた、バロッサヴァレーの気鋭のワイナリー、イェランド&パップス。紹介されたのはエレガントな「セカンド テイク グルナッシュ」、オレンジに近いが渋すぎずフレッシュな「バロッサヴァレー ルーサンヌ」、同じ品種でもよりピュアで洗練された「シングルヴィンヤード ルーサンヌ」など、いずれも新入荷商品。このワイナリーは、きれいなストラクチャーの技術がとくに傑出していると感じた。「シングルヴィンヤード グリーンノック シラーズ」は厚みはあるが柔らかい味わいで酸も豊富、赤身肉などと合わせたい1本だ。

試飲会ではタスマニア産のスパークリングワイン 「ハウス・オブ・アラス」の3つのキュヴェもお披露目となった。「ブリュット エリート キュヴェ 1601NV(瓶内熟成4年)」「グランドヴィンテージ 2008(同7年)「E.J.カー レイトディスゴージド 2006(同14年)」。

(N. Miyata)

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