「ヴィコント・ド・ヌ・マリニッチ」 ドメーヌ・ルフレーヴの系譜を踏むスロヴェニアの新ドメーヌ

ドメーヌ・ルフレーヴの創業者、ジョゼフ・ルフレーヴの曾孫シャルル・ルイ・ド・ヌが、スロヴェニアの栽培家アリス・マリニッチとタッグを組み「ドメーヌ・ヴィコント・ド・ヌ・マリニッチ」を2019年に立ち上げた。場所はスロヴェニア西部のゴリシュカ・ブルダ地区。イタリアとの国境にあり、すぐ西にはフリウリ・ヴェネチア・ジューリア州がある。「ブルダ」は丘を意味すると言う。

 

シャルル・ルイ・ド・ヌは、薄い表土と片岩状の石灰岩母岩で丘の斜面に階段状に開かれている畑の潜在能力に注目し、旧知のスロヴェニア人栽培家アリス・マリニッチと新たなプロジェクトを始めることにした。この地のブドウ畑は、18世紀にオーストリア大公マリア・テレジアが9つの格付けをしていた由緒ある銘醸地だったが、その後忘れ去られてしまったようだ。ふたりはそのうち1級から5級にあたる上位の畑を取得し、かつての名声を取り戻すことに成功した。

「マリニッチ」シリーズ、「エリゴーヌ」シリーズと「ヴィコント・ド・ヌ・マリニッチ」シリーズと3つのラインから、合計7銘柄を紹介する。

 

「マリニッチ」シリーズ

Marinic Refosco Goriska Brda 2019

マリニッチ レフォスコ ゴリシュカ ブルダ

¥2,600  レフォスコ100%

綺麗なルビー色。スパイシーで華やかな香りで、シナモンや丁子などスパイス漬けのチェリーやスモモを感じる。しなやかなアタックで、テクスチャーはなめらか。酸もタンニンも若々しいが強すぎず、上品な味わいを形成している。果実が生き生きとしていて、軽めの肉料理やシャリュキュトリー、サーモンのバターソテー、照り焼き、焼き鳥など、普段使いできそう。

 

Marinic Chardonnay Goriska Brda 2019

マリニッチ シャルドネ ゴリシュカ ブルダ

¥2,600 シャルドネ100%

明るいレモンイエロー。清楚な香り。涼しげなニュアンスがありながら、桃などよく熟した白い果実の香りも感じる。光沢のある香り。しなやかで、ブルゴーニュ・ブラン的なイメージ。フレッシュだけれどソフトな酸が心地よくミディアムボディで、後味はミネラリー。清涼感にあふれている。

 

「エリゴーヌ」シリーズ

Érigone Chardonnay Ossech V Cru Vipavska Dorina 2019

エリゴーヌ シャルドネ オセッシュ 5クリュ ヴィパウスカ ドリナ

¥3,200  シャルドネ100%

綺麗なレモンイエロー。まだ若干閉じていて、こちらも涼しげな香り。口中ではなめらかさが増す。厚みがあり、果実味が酸を包み込んでいる。よく熟した白桃、洋梨などの香りが口中で広がる。余韻はやはりミネラリー。上級のブルゴーニュ・ブランからヴィラージュクラス的な印象。

 

Érigone Zala  Locca lll Cru Vipavska Dorina 2019

エリゴーヌ ザラ ロッカ 3クリュ ヴィパウスカ ドリナ

¥3,200 マルヴァジア100%

綺麗なレモンイエロー。こちらもまだ若干香りは閉じている。洋梨、トロピカル系の果実、オレンジゼストなどを感じる。アタックからふくよかで、厚みがありまったりとした食感だが、酸がとてもフレッシュ。オレンジとグレープフルーツを一緒に食べたような印象で、ほのかな収斂性が味わいを引き締めている。

 

「ヴィコント・ド・ヌ・マリニッチ」シリーズ

Groblja   Vedrignano ll Cru Goriska Brda 2019

グロブリア ヴェドリニャーノ 2クリュ ゴリシュカ ブルダ

¥9,000 シャルドネ100%

蜜入りリンゴやアカシアの蜂蜜など、ピュアで透き通るような香り。味わいもピュアで、酸がとてもフレッシュ。ミネラリーで芯のある味わい。シルキーなテクスチャーがとても印象的。ルフレーヴの系譜は探せばわずかに見つかる。

 

Sotto la Chiesa   Bigliana ll Cru Goriska Brda 2019

ソットー ラ キエザ ビリアナ 2クリュ ゴリシュカ ブルダ

¥9,000  シャルドネ100%

より熟した黄色い果実や柑橘系の果皮を思わせる香り。やや還元的ながらほのかにバニラの要素も感じる「ヴィコント・ド・ヌ・マリニッチ」シリーズの中では、香りが最も開いて華やか。よりなめらかな食感でふっくらしている。ルフレーヴ的な香りがより強く出てくる。黄桃など熟した果実が熟度の高さを思わせる。ピュリニーっぽさを感じる。

 

Tejca  Vedrignano ll Cru Goriska Brda 2019

テイカ ヴェドリニャーノ 2クリュ ゴリシュカ ブルダ

¥9,000 シャルドネ100%

やや還元的でまだ閉じている。洋梨やバニラ、スパイスなどの香りも徐々に出てくる。なめらかなテクスチャーで、少し収斂性とミネラル感が強めのためいくぶん硬い印象。グリップも強いので少し置いても良いかも。ルフレーヴ的な香りはやはり探せばわずかに見つかるが、数年後の方がわかりやすいかもしれない。

 

生産者のホームページでは英語版が見つからなかったので、「マリニッチ」シリーズの土壌の違いがよくわからないが、明確に性格が異なり面白い。そして、名前を覚えにくいのが少しネックではあるけれど、ブルゴーニュワインの価格高騰を考えると大変お買い得なワインだと感じた。

(text by Y. Nagoshi / photo by Tadayuki Yanagi)

問い合わせ ラック・コーポレーション ☎︎03-3586-7501

WANDSメルマガ登録

関連記事

ページ上部へ戻る