クロ・デュ・ヴァル、これまでの50年と今後の50年を見据え、原点回帰

クロ・デュ・ヴァル創立50周年の節目に、現オーナーのオラフ・ゴレ氏(写真左)と初代ワインメーカーのベルナール・ポーテ氏が来日。新たな方向性について語った。

1970年代初頭、ゴレ氏の祖父母は自身が住むフランスの外で、ボルドーを凌ぐワインをつくることを夢見て、若いポーテ氏に世界中の産地を調べ歩かせた。辿り着いたのは、ナパ・ヴァレーのスタッグスリープ。周囲に比べて冷涼な気候に着眼しての選択だった。

ポーテ氏がワイナリーのアイデンティティや哲学を構築した。信条はテロワール重視。その味わいのバランスや複雑性をブレンドにより表現する。過去を振り返り、今後を考えた結果、原点に立ち返る方向に舵を切る。スタッグスリープと、様々なボルドー品種を植えたヨントヴィルの新しい畑のみ残し、ブルゴーニュ品種を植えていたカーネロスの畑は売却した。ポートフォリオを絞り、スタッグスリープの土地の表現に焦点を当てる。

(左から) カベルネ・ソーヴィニヨン1982、カベルネ・ソーヴィニヨン1993、レッドブレンド2020、イエッタリル2019

クロ・デュ・ヴァルの歴史と未来が窺える4つのワインが紹介された。

2020レッドブレンド

プティ・ヴェルドを37%もブレンドすることでフレッシュ感を出し、飲みやすい典型的なボルドーブレンドに仕上げた。

クラシック・シリーズ1982ナパヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン

豊作の年。タバコのアロマ、タンニン柔らかく緻密。アルコール13.3%。長熟であることの証となるような果実味。

リザーブ・シリーズ1993カベルネ・ソーヴィニヨン

赤系果実が前面に。前者との比較ではタンニンが若く荒々しく感じるが、アグレッシブでない。ずっと浸れる長い余韻。

2019イエッタリル

ゴレ氏の祖母の愛称を付けた新たなフラッグシップ。凝縮した果実味やスパイスに、樽香がアンカーとなり、強く繊細。

(Saori Kondo)

輸入元:JALUX

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