
酒販店のIMADEYA(いまでや)が8月23日、短歌アプリ「57577」と組んで、東京・清澄白河のイベントスペース「IMADEYA TERRACE」で歌会「ほろよいワークショップ はじめての歌会〜グラスを片手に短歌を詠む〜」を開催した。従来の酒類販売の枠を超えた文化的アプローチで新たな顧客層の獲得を狙う。
IMADEYAの取締役、小島雄一郎氏は「元々57577のユーザーだった」という。半年前からアプリを利用していた経験が今回のコラボのきっかけとなった。
短歌アプリ「57577」は約1年半前にサービスを開始し、現在では月間3万首超の短歌が投稿され、投稿数No.1の短歌専用SNSとして成長している。開発者の鈴木智順氏は短歌愛好家で、企画から開発まで一人で手がけた。ユーザーの7割が40代以下で、鈴木氏は「SNSの発展が現代短歌ブームを後押ししている」と分析し、若年層にも短歌文化が浸透している背景を説明した。当日の参加者たちも「57577」のユーザーで、このイベントをきっかけにIMADEYAとの接点に繋がった。
ワークショップは午前の部「お題なし・自由詠」と午後の部「お酒が教えてくれたこと」をテーマとした2部制で実施。各回15名限定で、3種の酒類やノンアルコール飲料や提供した。九州・小正醸造の「KOMASA GIN -苺-」やノンアルコールの新潟・越後薬草の「NON ALCOHOLIC YASO GIN 森の中にあるラベンダー畑」など、日本の伝統文化である短歌との調和を重視し、全て日本産の飲料を選定した。
司会を務めたのは歌人の天野慶氏。「ラジオ深夜便」出演や「NHK短歌」テキスト連載、漫画『ちはやふる』への短歌提供などで知られる。イベントの前半では、天野氏考案のカードゲーム「57577」を使用。5音・7音のカードで短歌を作る形式で、初心者でも参加しやすくした。イベントの後半では、参加者たちが事前に提出した短歌を持ち寄り、互いに匿名で講評し合う形式で進行。カジュアルな雰囲気での文化体験を提供した。




今回のイベントは短歌アプリ「57577」の短歌賞企画(テーマ:お酒が教えてくれたこと)とも連動して開催された。酒類業界では近年、単純な商品販売から「体験価値」の提供へとシフトする動きが活発化している。若年層のアルコール離れが指摘される中、今回のような文化的コンテンツとの融合による新たな顧客接点の創出は、興味深い試みの一例だ。
(N. Miyata)















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