シャルル・エドシック Charles Heidsieck/豊かで複雑性のある贅沢なスタイル それが変わらぬシャルルの姿

charlesHeidsieck2<豊かさとドザージュの関係>

ちょうど試飲した「ブリュット レゼルヴ」は2009年にティラージュを行い、2014年デゴルジュマンしたロットだった。リザーヴワインの年代も加味すると、今から10年から30年前のワインがこのボトルに詰め込まれていることになる。

ナッツやトーストといった香ばしい香りが、オレンジ、ミラベル、桃、アプリコットなどの熟した果実と融合している。とてもなめらかな食感で、リッチで厚みがありながらしっかりとした酸がバックボーンを形成している。やはり、シャルル・エドシックは圧倒的に豊かさに秀でていると再確認した。

ところでドザージュは、現在10g/lが平均的だ。「ダニエル・チボーがシェフ・ド・カーヴの時代に決めた。シャルルは、低めのドザージュにしたことはない。この複雑性と豊かさ、力強さとのバランスをとりシャルルらしさを表現するには、このドザージュが必要だ」と、エグゼクティブ・ディレクターのステファン・ルルーが説明する。

シェフ・ド・カーヴのシリル・ブランにも、ドザージュについての考え方について聞いた。

「最近は軽めのドザージュがトレンドのようだが、私たちは糖分がワインの味わいを崩すとは考えていない。低いドザージュはシャルル・エドシックのスタイルではないと考えている。出荷までの時間が短ければ話はまた別だが、シャルル・エドシックでは、デゴルジュマンから出荷するまでに最低8か月から12か月寝かしておくので、10〜11g/lのドザージュはちょうどよい」。

「少しだけドザージュを低くしたのは新生シャルルになった2008年。リザーヴワインの比率が高まり平均熟成期間も長くなり、その分豊かさとテクスチャーを得られるようになったから。90年代後半から2007年までは12〜13g/lだった。30年前は14〜15g/lだったから、およそ10年ごとに1g/l下げていることになる」。

<シャルルのポートフォリオ> へ続く

本稿はウォンズ2016年6月号のシャンパーニュ特集「シャンパーニュのドザージュの変化に関する考察」に掲載したひとつの記事です。

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