ビール大手4社販売数量、上半期は1割減に

ビール大手4社がこのほど明らかにした1~6月のビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)販売数量は前年同期比90%となったようだ。
新型コロナウイルスの影響による飲食店の休業や営業時間短縮の影響が響いた。一方、外出自粛で家庭内の“巣ごもり消費”や節約志向の高まりなどから新ジャンルに支持が集まり、上半期で初めて、新ジャンルの出荷量がビールを上回った。

「アサヒ・ザ・リッチ」好調
アサヒビールは金額ベースの公表で、6月が前年同月比84%、1~6月累計は83%。業務用を中心としたビールの売上減が影響したが、単月推移では4月を底に5月12ポイント改善、6月18ポイント改善と着実な需要回復が見える。
ブランド別は数量ベースで、「スーパードライ」が累計74%の2787万ケース(大びん換算)。業務用の売上げ急減が響いたが4月比較で5月17ポイント改善、6月30ポイント改善。発泡酒「スタイルフリー〈生〉」は家庭内需要の高まりや健康志向を追い風に累計105%。新ジャンル「クリアアサヒ」は累計95%。業務用の樽容器入りの売り上げ減少があったが、主に家庭内で飲用される缶容器は累計98%。好調の「アサヒ・ザ・リッチ」は累計357万ケースとなり、上方修正目標800万ケースの4割を超えてきた。

6月プラス実績の力強さ
キリンビールは販売数量で6月単月105%と前年を上回り、累計96%と総市場水準を大きく上回った。
ビールは累計74%。「一番搾り」は累計74%だが6月単月は88%と復調。発泡酒は累計98%で、「淡麗グリーンラベル」は103%。糖質オフゼロ系商品が新ジャンルを含めて好調に推移していて105%となっている。新ジャンルは累計108%。「のどごし〈生〉」は95%。「本麒麟」は139%の940万ケースと好調さを持続しており、年間目標数を1900万ケースから2050万ケース(前年比136%)に引き上げた。

「夏の金麦」支持集める
サントリービールはビール事業(ノンアル除く)が累計89%。業務用市場で伸ばしていた分の影響が大きく、ビールカテゴリーは66%と市場水準を下回った。6月単月も74%減と厳しいところ。
新ジャンルは累計で前年並みと、市場水準の106%を下回った。6月単月も市場水準が111%と推定されるなかで108%と及ばなかった。「金麦」ブランドは4月中旬製造分から順次切り替えている“夏の「金麦」”が支持され、6月単月では104%と順調。なかでも「金麦〈糖質75%オフ〉」は116%。累計では120%と好調に推移している。

ビール「缶」がけん引
サッポロビールは累計93%だったが、6月単月は前年並みまで盛り返している。缶製品が大幅増で全体をけん引し、樽・びんも5月に比べ回復傾向にある。カテゴリー別の累計ではビール78%。発泡酒86%、新ジャンル135%。
ブランド別では、「黒ラベル」ブランド計は樽・びんの不調と前年発売の限定品の影響もあり600万ケース、累計77%となった。「ヱビス」ブランド計は282万ケース、累計80%。いずれも缶は前年実績を上回り好調。新ジャンルでは「麦とホップ」ブランド計が383万ケース、累計91%。新商品「サッポロGOLD STAR」がプラスオンしており、新ジャンルでのツートップ戦略が機能している。

カギ握る下期の取り組み
7~8月の夏需要期と10月前後の酒税改正対応、そして年末商戦へと重要局面が続く。新型コロナ禍で計画の大幅修正を余儀なくされるなか、各社の下期の取り組みに注目が集まる。
アサヒビールでは、「スーパードライ」「アサヒ・ザ・リッチ」など主力ブランドを中心に新CM展開、キャンペーンパックの発売など店頭・販促・広告を連動させた活動で、需要が高まっている家庭内でのビール類飲用活性化を図る。酒税税率改正に際しては、「スーパードライ」の新たなブランドプロモーションの展開を予定。業務用は、飲食店営業を支援する各種ツールの展開や、飲食店ならではの価値ある高品質な樽生ビール飲用体験の演出を支援する活動などに注力し、持続可能な下支えや回復に貢献するという。
サントリーはビール・スピリッツ・ワイン共通で「食べて、飲んで、元気を。」応援メッセージで外食・家飲みを盛り上げるほか、「ザ・プレミアム・モルツ」で酒税改正を見据えての「神泡」を軸にしたプロモーション、「金麦」では実施中の「あいあいカレー皿」キャンペーンのほか、食と連動したプロモーションを予定。
キリンビールは「一番搾り」の盛り上げに加えて「キリンラガー」の10年ぶりリニューアルで本格ビールの“うまさ”を提案。また「本麒麟」は最盛期の7~8月に6割増産などに取り組む。サッポロビールも新CMや限定ビール提案など強化しており、各社とも主力ブランドを軸に、好調商品の更なる盛り上げを進めていく。

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