- 2024-12-10
- NEWS, Wine, Wines, フランス France, ブルゴーニュ Bourgogne
ブルゴーニュワイン委員会が、2024年のシャブリの収穫状況について以下のように発表した。
2024 年:試練と共に歩んだ年
― 試練を乗り越え、シャブリらしい張りと明確なミネラル感を湛えて―
2024 年、フランスの他のワイン産地と同様、ブルゴーニュ/ Bourgogne も異例の天候に翻弄された。川の氾濫、過剰な降雨、霜、雹など、自然の猛威が作物に深刻な影響を与え、収穫可能量は徐々に 減少していった。ぶどうの生育シーズンを通じて、生産者は畑に絶えず目を配り、収穫を守るために多大な努力を重ねる必要があった。シャブリ/Chablis では、例年のように酒庫が満杯となること はなかったが、醸造家たちは試飲したワインの出来に満足している。2024 年ヴィンテージは、張りのある味わいと明確なミネラル感を湛え、シャブリワインらしさを見事に体現している。
2023 年の乾燥した気候から一転し、2024 年は 8 月末時点で降水量が平年を約 50%も上回る過剰な雨に見舞われた。特に 3 月は記録的な雨量を観測し、月間平均の 150%以上に達した。この大量な雨が川の氾濫を引き起こし、スラン川では 3 月と 4 月に氾濫が発生した。
一方、この 2 か月間の穏やかな気温はぶどうの生長を後押しし、ぶどう樹は目覚めるとともに急速に生長した。4月初めには、その生長が例年より 8~10 日ほど早まっていた。しかし、この湿った環境下で春霜が発生し、一部の畑では深刻な被害を受けたが、産地全体への影響は限定的だった。
その後、水分は雹となり、何度も畑を襲った。特にシャブリでは、5 月 1 日に最も激しい雷雨に見舞われ、産地全体 5,870ha のうち 2,000ha が部分的または全体的に被害を受けた。収穫までにはまだ長い道のりが残っている 5月の段階で、この影響は深刻だった。
開花期の天候もまた厳しく、受粉が十分に行われなかったことで花ぶるいや結実不良が発生し、収穫可能量はさらに減少した。加えて、雨は止むことなく降り続き、3 月に続いて 5 月と 6 月も記録的な降水量を記録した。
この変わりやすい天候の中、ぶどう栽培者たちは、畑の手入れや病害の予 防、草の生長管理に細心の注意を払い、迅速な対応を迫られる日々が続いた。
特に春から続く高湿度はベト病の発生を助長し、そのリスクはシーズンを通して高い状態が続いた。この影響で、収穫量は徐々に減少していった。
一方で、8 月に入ると比較的乾燥した日が続き、日照量も増加した。その結果、畑の衛生状態が改善され、ぶどうの成熟に適した条件が整った。夏の初めには生育が例年より遅れていたが、最終的には成熟に向けた良好な環境が整った。
しかし、9 月の天候は不安定であった。ぶどうの衛生状態を維持しながら、最適な収穫タイミングを見極めることは難しく、収穫日の決定は苦労を伴った。収穫は 9 月 23 日に始まり、選果台も設置されたが、一部の区画では収穫できるぶどうがほとんどなく、作業が短時間で終了することもあった。
最終的に、状況には大きなばらつきが生じ、同じ村内でも著しい違いが見られる場合があった。南東部の産地は比較的被害が少なかった。一部の生産者では収穫量が 10hL/ha 以下にとどまり、多くの生産者は例年の半分程度の収穫量にとどまったが、カーヴが満杯となる生産者も少数ながら存在した。
ワインの特徴も収穫量に応じて大きく異なっている。しかし、全体的な傾向として、柑橘類や新鮮でシャキッとした白い果実のニュアンスが際立ち、爽やかな味わいが特徴である。2024 年ヴィンテージは、シャブリワインらしい張りと明確なミネラル感を湛えている。
++++++++++++++++++++
シャブリについて深く知りたい方にはこちらの書籍もお勧めします(WANDS)。
ご興味のある方は
こちらの内容をご参照ください。
Amazonでも購入可能です。
最近のコメント